REN ページ40
蓮「…スパカリ…？なに、これ？…あ、ごめんなさい。俺1人だと思ってめっちゃ独り言言ってました」
「あ、いや。気にしないでいいですよ」
蓮「…にしてもすごい雨ですねぇ。雨宿りですか？」
「…そんなところです。あの、スパカリって？」
ここは、コインランドリー。雨が降ってきたから雨宿り…なんていうのは建前で、他に目的があった。
蓮「…んー、よく分からないんですよね。ここのノートに、書いてあって」
「…そうなんですね。ほかにも書いてないですか？」
蓮「…え？…忘れたくない10のこと…。って書いてます」
蓮は、思い出してないのかな。
蓮「まず一つ目…。自分のこと。…え？自分のこと？」
「…なんて書いてあります？」
蓮「…俺の名前は、…川尻蓮で…、絶対忘れるなよって…。…どういうこと？……あれ？俺の名前って……なんだっけ……」
「…無理しないで、一旦落ち着いて」
.
蓮と出会ったのは2年前。大学に入学して、同じ学部だったのがきっかけで仲良くなった。私たちはよく一緒にいたから、周りの子達からは付き合ってると勘違いされていることも少なくなかった。
蓮「あ、そうだ！聞いてA、さっき瑠姫が…」
「ちょっと蓮、その話今日5回目。何回話せば気が済むのよ」
蓮「…あれ、そうだっけ」
「…え？わざとじゃないの？」
少しおかしいと思い始めたのは、1年前。でもその時は忘れっぽいとか、ちょっと抜けてるとか、それくらいで済んでいた。
蓮「…あ、A。スマホ忘れとうよ」
「うそ！持ってきてくれたの？ありがとう」
蓮「Aも忘れっぽいよねぇ」
「うるさいよ、蓮には言われたくないかなぁ」
.
瑠「ねえA！聞いてよ！」
「え？そんな怒ってどうしたの、瑠姫」
瑠「昨日、蓮くんと会う約束してたのに来なかったんだけど！」
「…え？そんなこと、一言も…」
瑠「え？」
「蓮は昨日私といたもん。…会う約束してたの？」
瑠「してた…。え、そうなの？」
それから、蓮は少しずつ瑠姫や私との約束を忘れてしまうことがあった。
蓮「A、学食どうするー？…あ、瑠姫もおったん？」
瑠「ねえ蓮くん、なんで昨日来なかったの？」
蓮「……昨日？」
瑠「会う約束してたじゃん！」
蓮「ごめん瑠姫、…思い出せない」
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てん(プロフ) - りちゃんさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからの励みになります！ありがとうございます^^ (3月12日 18時) (
レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
りちゃん(プロフ) - はじめまして！祥生のお話が刺さりまくって泣いてしまいました、！切ない系のお話大好きです。これからも楽しみにしています！ (3月11日 1時) (レス) @page26 id: 0340868d0e (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - れなさん» 初めまして。コメントありがとうございます。そうです！！！気づいてくださる方がいるとは思ってなかったので嬉しいです。ありがとうございます！ (3月7日 1時) (レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - はじめまして！勘違いだったら申し訳ないのですが、拓実のお話はバレエと少年という曲がモチーフですか？その曲が好きなので嬉しくなりました！次のお話も楽しみにしてます(^^) (3月7日 1時) (レス) @page13 id: 5cdbf435a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2024年2月25日 19時
