RUKI ページ37
もし明日世界が終わってしまうとしたら、あなたはどうしますか？
美味しいものを食べる？買いたいものを買う？行きたい場所に行く？それとも、他の何かをする？
私だったら、愛している人に会いに行きたい。
私たちは、本来であれば有り得ないことに直面している。どんなことか、気になる？
信じられない話だけど、明日、この世界が終わってしまうらしい。
月がどんどん地球に近づいてきていて、このままだと地球と衝突してしまうとか、なんとか。だから私は、この世界が終わってしまう前に愛している人に会いに行くのだ。
「るっくん、ごめん。待った？」
瑠「ううん。待ってないよ。じゃあ行くか」
るっくんに連れられて、るっくんの家に向かう。私がるっくんの家に行けばいいのに、るっくんがどうしても、って言うから迎えに来てもらった。
「何食べたい？」
瑠「最後だしピザ食べたい。Aは？食べたいものないの？」
「私もピザがいい！コーラも買って帰ろう」
瑠「珍しいね。いつもは飲まないのに」
「どうせ明日で終わっちゃうんだもん。最後くらい何も気にしたくないじゃん」
体型に気を使って飲んでこなかった炭酸も、明日が最後の日となれば別だ。飲むしかないだろう。
「……寝てる間に世界が終わっちゃってたらどうしよう。最後の瞬間くらいはるっくんの顔見てたいのにな」
瑠「じゃあ今日は寝ないでみる？」
「…ふふ、うん。そうする」
手を繋ぐ帰り道、何気ない会話さえもがとても幸せに感じるのは今日が最後だからかな。
るっくんさえいればどんな明日も受け入れられると思っていたのに、明日が来てほしくない。このままずっと、るっくんと2人でいたい。
るっくんの家で、るっくんと2人で最後の瞬間を迎えられるのは幸せだけど、これで最後になるのも嫌だ。
「……ねえるっくん、好きだよ」
瑠「俺も好き。大好き」
るっくんの大きい目が細められる。ギュッと強く抱きしめられたから私も背中に手を回す。るっくんが存在していることを確かめるように。
スマホの警告音が鳴り響く。
私たちが思っていたより早く、世界の終焉は訪れるみたいだ。
「愛してるよ、るっくん」
自然と溢れる涙を流しながらそう伝えれば、るっくんも私と同じように泣いていた。
瑠「俺も、俺も愛してる。ずっと一緒だから」
るっくんにキスをされた瞬間、身体は大きな衝撃に包まれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 276人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てん(プロフ) - りちゃんさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからの励みになります！ありがとうございます^^ (3月12日 18時) (
レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
りちゃん(プロフ) - はじめまして！祥生のお話が刺さりまくって泣いてしまいました、！切ない系のお話大好きです。これからも楽しみにしています！ (3月11日 1時) (レス) @page26 id: 0340868d0e (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - れなさん» 初めまして。コメントありがとうございます。そうです！！！気づいてくださる方がいるとは思ってなかったので嬉しいです。ありがとうございます！ (3月7日 1時) (レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - はじめまして！勘違いだったら申し訳ないのですが、拓実のお話はバレエと少年という曲がモチーフですか？その曲が好きなので嬉しくなりました！次のお話も楽しみにしてます(^^) (3月7日 1時) (レス) @page13 id: 5cdbf435a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：てん | 作成日時：2024年2月25日 19時
