SKY ページ35
SKY side
「あ、金城くん。おはよう」
金城「…おはよ」
また今日もなんも言えへんかった。前髪切ったの、気づいたのに。Aさんを前にしたら、似合ってるの一言すら言えへんくて、自分が情けなく感じる。
「金城くんってさ、ポーカーフェイスなの？」
金城「…え？」
「いや、友達が言ってたから。…でも、そんなことなくない？」
金城「俺も分からへん。俺、ポーカーフェイスなんかな」
誤魔化してみたけど、祥生から教えてもらったポーカーフェイスも全く役に立たへん(祥生ごめん)。なぜか、Aさんを前にするとポーカーフェイスを保てなくて、ずっとドキドキしてしまう。
好きってこういうことなんやって思った。初めて、こんなに笑顔が素敵やと思える人に出会えた。めまいがしてしまうほどに、Aさんの笑顔は眩しかった。
少し時は過ぎて、席替えで隣の席になった。それから俺らは仲良くなって、下の名前で呼び合うようになった。
金城「なあ、A」
「ん？」
金城「これって、なんて読むん？」
「…これ？これはね、…って碧海くん、分かってて聞いてるでしょ。もう」
金城「お願いお願い、ほんまに読めへんねん！これ読めへんかったら、次のテスト赤点かもしらへん」
「碧海くんがそれ言ったら本当か嘘か分かんないんだよねぇ、仕方ないな。……すきって読むんだよ」
本当は読めてたけど、俺ほんまに頭悪いからAも真に受けて言ってくれた。今度こそは、祥生から教えてもらったポーカーフェイスが役に立ってると思う。
でもまだ、完全に心を開いてくれているとは思えへんかった。俺は好きやのに、この気持ちを伝えることすら出来んくて、自分でも自分のことバカみたいやと思っていた。
ある夏の日。俺は質問した。
金城「俺ずっと気になっててんけどさ、Aって彼氏とかおるん？」
「あー、…彼氏？いるよ」
目の前が、真っ暗になった気がした。告白なんてせんでもよかったやん。
「…でも、……あのさ、碧海くん、相談に乗ってほしくて」
胸が苦しくなったけど、少しでもAの力になれるならと思ってそれを承諾した。
家に帰って虚しくなって泣きたくなる時もあるけど、会う度にまた好きになっていく。
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てん(プロフ) - りちゃんさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからの励みになります！ありがとうございます^^ (3月12日 18時) (
レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
りちゃん(プロフ) - はじめまして！祥生のお話が刺さりまくって泣いてしまいました、！切ない系のお話大好きです。これからも楽しみにしています！ (3月11日 1時) (レス) @page26 id: 0340868d0e (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - れなさん» 初めまして。コメントありがとうございます。そうです！！！気づいてくださる方がいるとは思ってなかったので嬉しいです。ありがとうございます！ (3月7日 1時) (レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - はじめまして！勘違いだったら申し訳ないのですが、拓実のお話はバレエと少年という曲がモチーフですか？その曲が好きなので嬉しくなりました！次のお話も楽しみにしてます(^^) (3月7日 1時) (レス) @page13 id: 5cdbf435a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2024年2月25日 19時
