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大平『奨くん』
與那城『あれ？祥生じゃん。どうしたの？』
大平『A来てないですよね』
與那城『……え？Aちゃんならもう、辞めたけど。どうかしたの？』
大平『……え？辞めた？』
與那城『うん。帰る目処が立ったって言って、昨日辞めたよ。今日帰ったんじゃなかったの？』
大平『……そう、なん…？』
大平『……Aは、全部知ってたんかな。列車が事故に遭うことも。…だからあんなに止めてくれてたんや。……なのに、最後に会えてもないし謝れてもないし、感謝も出来てない。』
ごめん、ごめんね、祥生。会えることなら会いたい。ごめんって言いたいし、好きって伝えたい。
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大平『ありがとう、A』
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そこで目が覚めた。祥生と喧嘩をしてしまったあの公園で目を覚ましたかったのに、そこは廃れたシアターだった。
「……帰ってきちゃった……」
エンドロールが流れている。私のあの夢が正しいのであれば、祥生は列車に乗らなかっただろうし助かっている。その事実だけがあればもはや十分だった。
そのシアターを出て家に帰っていると、ふと、祥生の家の匂いがした。気持ち悪いかもしれないけど、本当にその匂いだった。
匂いって、記憶によく残るから。って。誰かが、言ってた。
「…祥生…」
？「っえ、…A…？」
ふと名前を呟いたら、聞き慣れた声で名前を呼ばれた。
「え、…祥生…！？」
大平「A！！…会いたかった。どこおったん、今まで」
「祥生……。私こそ会いたかった。……まずは、ごめんね。切符のこと」
大平「ううん。俺、Aに助けられた。ありがとうな」
少しの沈黙が、2人の間に流れる。
大平「……ずっと、伝えたかったんやけどさ」
「……ん？どうしたの？」
大平「…A、好きやで」
「…私も。祥生のことが、好き」
不思議な体験をしていたけれど、祥生に会えたし気持ちも伝えることが出来た。
連絡先も交換して幸せな気分に浸っていると、急に抱きしめられた。
大平「……A、一緒に住もう」
「……ふふ。うん。そうだね。そうしよっか」
あの頃に戻りつつある日常が、すごく幸せなことだったんだと気づいた。
私たちは、顔を見合わせて笑った。
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てん(プロフ) - りちゃんさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからの励みになります！ありがとうございます^^ (3月12日 18時) (
レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
りちゃん(プロフ) - はじめまして！祥生のお話が刺さりまくって泣いてしまいました、！切ない系のお話大好きです。これからも楽しみにしています！ (3月11日 1時) (レス) @page26 id: 0340868d0e (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - れなさん» 初めまして。コメントありがとうございます。そうです！！！気づいてくださる方がいるとは思ってなかったので嬉しいです。ありがとうございます！ (3月7日 1時) (レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - はじめまして！勘違いだったら申し訳ないのですが、拓実のお話はバレエと少年という曲がモチーフですか？その曲が好きなので嬉しくなりました！次のお話も楽しみにしてます(^^) (3月7日 1時) (レス) @page13 id: 5cdbf435a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2024年2月25日 19時
