好きだ【JO1】

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「いつ行くの？」
大平「明日！今日から荷造りせな間に合わんなぁ、急いで帰ろ！」
「……それ、変更出来ないの…？」
大平「え？」
「明日じゃなくてもいいんじゃない？明後日とか！来週とか！」
大平「んー、これ日時指定なんよなぁ」
「……お願い！！」
大平「…あ、分かった。A、寂しくなったん？大丈夫、すぐ帰ってくるから」


どうしよう、どうにかして、止めないと。


「祥生、ちょっとだけ公園寄って帰ろう」
大平「分かった。…ふふ、珍しいな」


「祥生、……行かないで」
大平「すぐ帰ってくるって」
「違うの、お願い。明日はダメ」
大平「なんで？」
「なんででも！明日は、ダメなの…」


どうすれば止められるのか分からなくて、泣きそうになっていると、優しい声が聞こえてきた。


大平「…明日、着いたらすぐ電話するから。大丈夫」
「…………わかった。……じゃあさ、わがまま言ってもいい？」
大平「ん？」
「その切符、ちょっと見せて」
大平「ええよ。はい」


どうして祥生は、こんなに大切なものを簡単に渡してしまうんだろう。


ごめんね、祥生。…ごめん、……ごめん。


「祥生、ごめんね」
大平「なにが？」
「嫌いに、ならないでね」
大平「え？」
「……ごめんね、許して」


そう言った私は、祥生の切符を破いた。


大平「……ぇ、」
「ごめん、ごめんね祥生」
大平「な、なんでこんなことするん？」
「っ、ごめん祥生、ごめんね」
大平「俺が頑張って買ったん知ってたのに、」
「分かってる」
大平「俺が楽しみにしてたんも、」
「全部、全部分かってるよ。……でも、こうするしかなかったの。……ごめん、祥生」
大平「……ひどい」


祥生は、走って帰ってしまった。ああ、わたし、酷いことをした。嫌われたかもな。……帰れないな。


泣いて泣いて、泣き疲れてしまった私は、寝てしまっていた。


大平『……おはようございます』
＊『あ！！大丈夫だった！？乗ってなかったんだね、よかった』
大平『え？なんかあったんですか？』
＊『それが、京都行きの列車が脱線したって。今日帰るって聞いてたから心配したけど、帰らなかったんだね』
大平『………え？』


河野『祥生！よかったあ、帰らんで正解やったな』
大平『……純喜くん、あのな、Aが行くのを止めてくれたんやけどな、おらんねん。どこにも。』
河野『え？……え？おらんの？どういうこと？』
大平『昨日の夜から、帰ってこんくなった。奨くんなら、なんか知ってるかな』

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