SHOSEI ページ16
ああ、今日も疲れた。
私は、久しぶりに映画を見に町の小さな映画館に来た。ここでは昔の作品ばかり上映されていて、それが今は心地よかった。
客は私一人。こんなに静かで大きい空間で映画を見れるなんて、どれだけ幸せなんだろう。
そう思いながら、映画が始まるのを待った。
大平『じゃあ、行ってくるな』
友達『居なくなるん寂しいなあ』
大平『たまには帰ってくるわ』
友達『待ってんで』
……たしか、作品の主人公は大平祥生って名前だったよね。
東京に行って、1人で頑張る話だった気が…。
大平『ここが、東京なんや…。俺は夢を叶えるために頑張るんや！』
いいなあ。私も主人公みたいに、何か目標に向かって頑張りたい。こんな、繰り返しばかりの毎日なんてつまらない…。
この作品の結末ってどんな感じだったっけ。そういえば、あんまりスッキリしない結末だった気がする。…でも、細かくは思い出せないや。
そんなことを考えていると、いつの間にか眠ってしまっていたようだった。
.
？？「お姉さん起きて！こんなとこで寝てたら危ないで！」
ああ、そうだった。私寝てたんだ。もう映画は終わったのかな。そう思って目を開けると、知らない世界があった。
「………どこ、ここ……」
？？「お姉さん、大丈夫なん…？」
「っえ、あ、え……？」
驚いた。目の前にいたのが、私がさっきまで見ていた映画の主人公だったから。
大平「ああ、…大平祥生です。お姉さんは？」
「…白雪Aです」
大平「Aちゃん！…あの、大丈夫ですか？具合でも悪いん？」
「いや、大丈夫…だけど…。ここって、どこなの？」
大平「ここ？有楽町やけど…」
私がさっきまでいたのは新宿だったのに。
もしかしてこれって、映画の中？
「……今って、何年？」
大平「今？今は…昭和40年やけど」
「…昭和……40年……」
空いた口が塞がらないってこういうことを言うんだなって思った。私もしかして、とんでもないことに巻き込まれているのでは…？
大平「…こんなとこで話すのもアレやし、俺今から仕事行くんやけど、一緒に行かへん？」
「…わかった」
仕方がないから、大平さんの後をついていくことにした。
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てん(プロフ) - りちゃんさん» 初めまして。コメントありがとうございます。これからの励みになります！ありがとうございます^^ (3月12日 18時) (
レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
りちゃん(プロフ) - はじめまして！祥生のお話が刺さりまくって泣いてしまいました、！切ない系のお話大好きです。これからも楽しみにしています！ (3月11日 1時) (レス) @page26 id: 0340868d0e (このIDを非表示/違反報告)
てん(プロフ) - れなさん» 初めまして。コメントありがとうございます。そうです！！！気づいてくださる方がいるとは思ってなかったので嬉しいです。ありがとうございます！ (3月7日 1時) (レス) id: 63649c6329 (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - はじめまして！勘違いだったら申し訳ないのですが、拓実のお話はバレエと少年という曲がモチーフですか？その曲が好きなので嬉しくなりました！次のお話も楽しみにしてます(^^) (3月7日 1時) (レス) @page13 id: 5cdbf435a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2024年2月25日 19時
