私を頂上へ連れてって【日プ無印】 (ページ46)

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ステージが終わり、投票時間も終わった。

デビューメンバーが決まる時間が来た。果たして私は呼ばれるのだろうか。呼ばれなかったらこれからどうすればいいかな。

なんて、少しだけネガティブな気持ちが顔を出す。

いや、違う。違うよ。私は絶対デビューするんだ。デビューをするためにこの舞台に来たんだもん。絶対大丈夫。

そう自分に言い聞かせながら、1人目の11位が呼ばれるのを待つ。いつもの如く、最後の12位は1番最後に呼ばれるらしい。

矢部「第11位は、ステージではセクシーな姿を見せる19歳の練習生です」

19歳…。私は今18歳だから、当てはまらない。誰が、呼ばれるんだろう。

矢部「……金城碧海！」

11位に呼ばれたのは、碧海くんだった。祝福の気持ちで送り出し、10位が呼ばれるのを待つ。

矢部「第10位は、常に笑顔を絶やさず、自分の個性を出し続けた練習生です」

矢部「……河野純喜！」

10位だったのは、純喜くんだった。ああ、本当に呼ばれるのかな。

9位で呼ばれたのは翔也くん。1番最初のAクラスの時からお世話になっていて仲も良かったから嬉しくなった。

8位は景瑚くん。自分のデビューが決まるまでは泣かないと決めていたのに、自分のことのように嬉しくて泣きそうになってしまった。

7位だったのは瑠姫くん。コンセプトバトルの時にたくさん救ってくれた彼。瑠姫くんがいなかったら、多分コンセプトバトルは乗り越えられなかった。

6位は汐恩くん。ステージの度に背中を叩いてもらっていた。それにいつも助けられていた。汐恩くんはもう少し高い順位だと思っていたから、少し自信がなくなってしまう。

そして5位は祥生くん。ポジションバトルで一緒になってからずっと仲良くしてもらっていたし、何度も祥生くんの言葉に救われていた。ああ、私は呼ばれるのかな。

矢部「第4位は、ステージの度に違う表情を見せてくれるのが魅力である練習生です。」

矢部「…………平瀬A！」

呼ばれた。時が止まったかと思った。周りの練習生が祝福してくれるおかげで、やっとそれが現実なんだと認識した。

安心したからなのか、涙が止まらない。キラキラ輝く花道を歩いて、既に呼ばれた7人が待つステージに向かう。

マイクを持つ手が、驚く程に震えていた。