私を頂上へ連れてって【日プ無印】 (ページ32)

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「……失礼、します」

ハピメリの部屋に入ると、皆が温かく迎え入れてくれた。

クラッカーを鳴らしてくれて、皆サンタの帽子をかぶっていた。なんかちょっと面白くて、つらくて仕方なかったはずなのに、笑いが込み上げてきた。

「……平瀬Aです！よろしくお願いします！」

皆で盛り上げてくれて、すごく心が解された。

止まらなかったはずの涙はどこかへ消えて、今はもうこのメンバーと一緒に頑張りたいという気持ちに変わっていた。

そして、リーダーとセンター決めをすることに。リーダーは、満場一致で男澤くんに決定した。

そしてセンターは多数決で瑠姫くんに。グループのときもセンターをしてくれたから、やっぱり瑠姫くんがセンターにいたほうがステージも華やかになるし、何より頼りになる。

私のパートは、サブボーカル③に決まった。

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白岩「A、…俺らはAを必要としてるからね」
「……瑠姫、くん……」

練習に入るまでのたった数秒。瑠姫くんは、私にそんなことを伝えてくれた。

目頭が熱くなって涙が零れ落ちたけど、きっと誰にもバレていない。だから、タオルで拭って練習に参加した。私はこれを3日で覚えてステージに立たないといけない。

「瑠姫くん、ここの振りってどうなってるんですか？」
白岩「ここ？ここは、手がこっちで、足はこうなってる。…で、こんな感じ」
「そういうことなんだ、…動画じゃ分からなかったから助かりました。ありがとうございます」

ダンスは瑠姫くんや來良くんに助けてもらって、ボーカル面でも他のメンバーに支えてもらうことが多くなった。

「秀太くん、ちょっとだけ歌教えてもらってもいいですか…」
浦野「いいよ！」

横で聞いてるけど、めちゃくちゃ歌上手い。私もこれくらい歌えるようになりたいという気持ちが顔を出した。

「〜♪って感じですか？」
浦野「そうそうそう！めっちゃ良いじゃん！」
「ありがとうございます！」

歌も振りも、1日でなんとか一通り覚えた。

「…瑠姫くん、ちょっとだけ時間いいですか？」
白岩「どうしたの？」
「今から通すので、ちょっと見ててほしい…です」
白岩「ああ、そういうこと？いいよ、見てるね」

音楽をかけて、歌いながら踊る。

白岩「完璧じゃん」
「え。タイミングとか直すとこなかったですか？」
白岩「うん、もう完璧。…あ、でもこの振りが…」
「ありがとうございます」

皆のお陰で、私も成長してることが手に取るようにわかった。