私を頂上へ連れてって【日プ無印】 (ページ4)

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「…はあ、今から緊張してるんですけど」
來良「大丈夫だって」
「ほんとですか？」

今日は再評価テストの日。カメラの前で撮ることになっていて、一発勝負。失敗しても、撮り直しは出来ない。

木全「Aちゃんなら大丈夫」
「翔也くん……。行ってきます」

「平瀬Aです！よろしくお願いします！」
景瑚「A、靴紐」
「…あ、ありがとうございます」

靴紐が解けていたことを景瑚くんが指摘してくれたおかげで、結び直すことができた。

「〜♪…〜♪」

前を向いて、笑顔で。細かく詰めた振りは指先まで意識する。頭の頂点から爪先まで、踊っている間はアイドルなのだ。

気がついたら曲は終わっていた。

「ありがとうございました！」

私の番が終わり、みんなの元に戻る。

ヒチョン「良かったですよ」
「本当ですか？へへ、ありがとうございます」
ヒチョン「AはまたAですね」
「嬉しい」

全員の撮影が終わり、自分がまたAクラスにいられることを願う。

「……誰も、離れたりしないよね」
林「……大丈夫」
ユンドン「なんでそんなこと言うんですか〜…」

不安になった私を励ましてくれたのは、紛れもなくAクラスのみんなだった。みんなと離れたくない。誰かがAクラスに上がってくることはあっても、誰かが落ちてしまうことだけは考えたくなかった。

川尻「……大丈夫よ」
「……っ、ですよね。大丈夫ですよね」

こんな気持ちになってしまうのはきっと、自分が落ちてしまうかもしれないっていう不安があったからだと思う。

景瑚「A、大丈夫」
「……うん」

Aクラスの中で一番可愛がってくれていると言っても過言ではない景瑚くん。いつも一緒にご飯を食べてくれている。

景瑚「俺はまたAとピンクのシャツ着たいと思ってるよ」
「……私も。そんなの私もです」
景瑚「ほんと？よかった」
「景瑚くん、…私も皆も大丈夫ですよね」
景瑚「当たり前じゃん」

ニコニコと微笑んで頭を撫でてくれる景瑚くん。視界の端で、同じように不安そうにしている豆ちゃんの姿を捉えた。

「うん、もう考えないようにします！」
川尻「それがいいね」
林「もっと明るいこと考えようや」
來良「なんか面白いこととかないん？」

雰囲気が変わって、豆ちゃんも笑顔になってくれた。不安になるきっかけを作ってしまったのは私だけど、豆ちゃんに笑顔が戻って良かったと安心した。