私を頂上へ連れてって【日プ無印】 (ページ30)

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そして、37位以下の練習生とはお別れになってしまう。

「…っ、空くん…」
中里「そんなに泣かんで、…」
「まだ空くんと一緒にステージ立ちたかった、DOMINOもやりたかった…」
中里「俺もだよ、俺もAとまだやりたかった。……俺、追いつくから。だから次は別のステージで会おうね」
「……っ、うん…！」

HIGHLIGHTのときに同じチームで頑張った同い年の空くん。チームのことを支えてくれたし、同い年で一緒に頑張ったしまだまだ一緒にステージに立ちたかった。

瀧澤「Aちゃん。ありがとうございました」
「…私、あのとき瀧澤くんが声掛けてくれたから色んなこと考えてたけど忘れることが出来たし、瀧澤くんに助けられたんだよ」
瀧澤「俺だって助けられました。Aちゃんに歌教えてもらったから1位もベネフィットも取れた。…だから本当に感謝してます。ありがとう」
「…っ、泣かないでよ、そんなにっ…」
瀧澤「…すっごい、悔しい……」
「…私だって悔しい。瀧澤くんとまだ一緒にパフォーマンスしてないよ、…やりたかったよっ…」

瀧澤くんが、歌を教えてほしいと声をかけてくれたから悩みも忘れられた。瀧澤くんがいないのは、やっぱり悲しいし寂しい。

瀧澤「また、会いましょう。」
「うん。約束だからね」

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ここでお別れになってしまう練習生たちと最後の言葉を交わしたあと、私たちには地獄の時間が待ち受けていた。

「……」
本田「顔、強ばってるよ」
「本田くん…」
本田「アイドルでしょ。笑顔笑顔」
「…！はい！」

これから私たちがしないといけないのは、必要なメンバーを決めていく投票。考えるだけで嫌になったけど、本田くんが声をかけてくれたおかげでなんとか表情は保てている…と思う。

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ヨンフン「チームのことを考えて投票してください」

そんなことを言われたら、やっぱり実力のある練習生を書いていくことになる。私は、自分を1位には出来なかった。1位どころか、その7人の中に書くことすら出来なかった。

遠慮でも何でもなかった。多分私は、実力不足なんだと思う。自分でも分かってしまうくらいに、他とは差がついてしまっているから。

皆の足を引っ張ってしまうかもしれない。それが嫌で、自分の名前を書けなかった。