私を頂上へ連れてって【日プ無印】 (ページ25)

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順位発表が終わると、全身の力が抜けてつい座り込んでしまった。まだまだ上の順位を目指さないといけない。もっと実力をつけて、1位をとりたい。

そんな思いが、溢れ出てきた。

佐野「悔しいね」
「…1位、とれるんじゃないかって思ってた」
佐野「俺も思ってたよ」
「このグループなら、絶対ベネフィットとれるって思ってた。…だから、悔しい…」

500票とるって決めたのに。私ならとれるって思ってたのに。とるための練習だってしてきたのに。

「…でも、皆と練習した期間は間違いじゃないし、これが正解だったと思ってる」

もっとああすればよかった、なんて思いはどこにもなくて。だからこそ、悔しさを倍増させていた。

「みんなのおかげで頑張れました。ありがとうございました」
佐野「俺だって、Aがいたから振りも構成も頑張って考えられたんだよ。ありがとう」
與那城「俺も。Aが歌教えてくれたおかげで、本番気持ちよく歌えた。ありがとうね」
今西「ヒコも！Aの言葉でやらなあかんって思ったし振り付けも考えられたんやで。ほんまにありがとう」

瑠姫くんからも、ともくんからも、脩斗くんからも。優しい言葉をかけてもらって、あたたかい気持ちになる。

1位はとれなかったけど、学べたことはそれよりも価値がある。今回のグループバトルで培った経験と絆は、1位をとるよりも大切なことだったと気づいた。

この期間で、みんなの事を大好きになった。目の前に迫っているコンセプトバトルが楽しみになったし、その中で行われる順位発表式はまだ来ないで欲しいと願うようになっていた。まだ、まだこの大好きで大切な仲間たちと、離れたくなかった。

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「蓮くん！拓実くん！1位おめでとうございます」
川尻「ありがとう。A、楽しそうやったね」
川西「今日のAえぐかったで」

そんなに？と思ったけど言わないでおこう。私が何も覚えていなかったから言えた立場じゃないや。

「……順位発表式、来ないでほしいな」
川尻「そんなこと言うようになったの！？あんなに人見知りだったのに」
「皆と仲良くなって、離れたくないなって思ってるんです」
川西「俺も来て欲しくない」
「ね。…まだ来ないでほしいなぁ…」

ずっとずっと、このままでいいのに。