私を頂上へ連れてって【日プ無印】 (ページ22)

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リハーサルも終わり、あとは本番に向けて細かく調整するだけ。

「文哉くーん、私に気合い入れてください」
佐野「えー何すればいいの？」
「背中叩いてください」
佐野「わかった。結構強くいくよ？大丈夫？」
「大丈夫です！」

明日が本番なので、文哉くんに背中を叩いてもらう。結構痛かったけど、明日に向けてまだまだ頑張ろうって気持ちになれた。

「痛い」
佐野「言ったじゃん強くするよって！」
「あはっ、でもありがとうございます。気合い入りました」
佐野「絶対10万票取ろうね」
「もちろんです！」

私たちの目標は全員で最高のパフォーマンスをして、グループで10万票を獲得すること。

「私明日500票取ります」
與那城「お、いいね〜」
安藤「頑張ろうね」
「お2人に教えてもらった歌も頑張ります！」

私はこのチームではセンターでもリーダーでも、メインでボーカルやダンスをするわけでもなかった。でも、それでも振りや構成を考えられたことが嬉しかった。

このチームの一員になれたことが、すごく嬉しかったし、誰も置いていっていない感じがした。

「ヒコちゃん、明日だね」
今西「せやなぁ、なんかドキドキしてきたぁ」
「私も！」

グループ内で唯一の同い年であるヒコちゃん。同い年だけど、なんか弟みたいで可愛い。

「緊張してきた」
今西「明日やで、大丈夫？」
「…明日になったらもっとやばいかも」
今西「ほんまやで」

ニッコニコしながら結構毒吐くけど、それもそれで面白い。

「10万票とるぞー！」
今西「おー！」

それからメンバー全員で話して、最後にまた練習して今日は終わりのメニュー。

與那城「Aって本当踊りながら歌うのが自然で上手だよね」
「まあ元アイドルなんで」
與那城「かっこよ！」
「あはは、まあだいぶ訓練されてきたので慣れてはいると思いますよ」

踊りが激しかったぶん、生歌より被せとかの方が多かったけど、私はどの歌番組でもちゃんと歌わせてもらっていた。

内田「ほんと、何で出るん？」
「お腹に力入れたら割とすぐ出ますよ」
内田「おお、めちゃくちゃ歌いやすくなった」
「でしょ。今からそれで通して、良かったなら明日もそれでやってみたらどうですか？」
内田「ああ、そうしよっかな」

明日に向けて全員が全力で同じ方向を向いて走っていることが何より嬉しかった。