私を頂上へ連れてって【日プ無印】 (ページ3)

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全てのグループの発表が終わり、クラス分けも終了した。

今から今回のPRODUCE101のテーマ曲が発表されて、覚えて3日後の再評価テストに備えないといけないということもナイナイのおふたりから伝えられた。

割と振り覚えやメロディーを覚えるのは得意な方だから、なんとかなりそう。でも、何かを届けなきゃいけない。Aクラスに残るには、私のこの気持ちをトレーナーの先生方に伝えなきゃいけない。私の中に、焦りも生まれてきていた。

「……やらなきゃ」

歌詞を頭に入れてから振りを覚える。そうしたら早く覚えられる、私なりのやり方。

「…〜♪」
？？「歌、上手やね」

そう話しかけてくれたのは、川尻さんだった。

川尻「歌教えてほしい！」
「えっ、あ、…もちろんです」
川尻「はは、緊張しとる？」

人見知りのわたしが初対面の人と話すのは至難の技だ。クラス分けテストの時もめちゃくちゃレベルが高くて、すごく印象に残っていたし余計緊張してしまう。

「わたし、…その、人見知りで」
川尻「じゃあこれからたくさん話して仲良くなろうね」

少し福岡弁に訛っていて、その訛りですら武器にしてしまうんだから、彼は恐ろしい。

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歌を一通り覚えて、川尻さんとも歌の確認をする。

「〜♪…って感じで、力抜くイメージでいいと思います！」
川尻「〜♪…どう？」
「そんな感じです！」

その後、ダンスを教えてもらう。

「ここが分かりにくくて…」
川尻「あー、ここね！見とって」

質問するとすぐに教えてくれる川尻さんは、もうダンスを全て覚えられている。

「こんな感じですか？」
川尻「あははっ、めっちゃ上手！」

歌を褒めてもらうことも多いけど、こう見えても私はダンス志望なのだ。

ダンスも覚えられたので、あとは詰めるだけ。

「川尻さん、ありがとうございました」
川尻「全然！あ、名前で呼んでくれんと？」
「え」

突然上目遣いでそんなお願いをされて、困惑してしまう。

「蓮、さん…？」
川尻「蓮くんがいいなぁ」
「………蓮くん」

こんなこと、滅多にないからめちゃくちゃ緊張してしまう。それを証明するように心臓がバクバクしてる。

蓮くんと仲良くなれたことをきっかけに、他のAクラスのメンバーとも仲良くなれた。