私を頂上へ連れてって【日プ無印】 (ページ19)

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振り付けは文哉くんとヒコちゃんで作ることになっている。私も何か手伝いたいと文哉くんに言うと、一緒に振りや構成を考えられることになった。

「文哉くん、ここの振りってどうなってますか？」
佐野「ここはこうしようと思ってたけど、どう思う？」
「あー、多分ここの音と振りのリズムが違ってて歌った時めちゃくちゃやりづらいと思うから、こうしてみるのはどうですか？」
佐野「……めっちゃあり。ありがとう」

提案が採用された時には嬉しくて嬉しくて、よなさんに報告までしてしまった。

與那城「どうした？」
「ここの振り、提案したら通りました！へへ、嬉しいです」
與那城「はは、良かったね」
「…それだけです」
與那城「嬉しくて報告に来たの？」
「そういうことです」

よなさんは優しいから、そんな報告もニコニコと笑顔で最後まで聞いてくれる。

佐野「Aー、来てー」

振りだけじゃなくてフォーメーションのことでも文哉くんに頼ってもらうことが増えたけど、ヒコちゃんはどうやら振り付けに苦戦しているようだった。

「ヒコちゃん、どうした〜」
今西「んー…浮かばん」
「そっかあ、この部分？」

私もすぐに振りが浮かばずにアドバイスも何も出来なかった。

「私も振り付け出来るとかじゃないから、あんまり良いこと言えないんだけど…、難しいなら文哉くんとか頼ってみるのもいいかもね。私もできる限り手伝うし」
今西「んー、分かった。ありがとう」

そうは言っても、なかなかヒコちゃんが文哉くんに相談することはなかった。仲が悪いわけではないのだけど。

「よなさん、ヒコちゃん大丈夫そうですかね…」
與那城「俺も気になってた。ちょっと話し合ってみようか」

気にかけてくれてありがとう、とあの笑顔で言われた。頼りになるリーダーだなと思った。

話し合うことになり、瑠姫くんが切り込みを入れる。

「仲が悪いとかではないけどってことだよね」

「……でも、今はもう頼らない以外ないと思ってます。本番なんてすぐに来ちゃうし…。助け合わないといけないと思います。グループバトルだし」
今西「…そうやんな」
「ヒコちゃんが悪いとかそういうんじゃないけど、ちゃんと私たちのことも頼ってほしい」