私を頂上へ連れてって【日プ無印】 (ページ15)

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順位発表式ページ15

ついに迎えた順位発表式。この発表式で、101人(本当はもうちょっと少ないけど…)いた練習生が61人になってしまう。

いつもより色が淡いメイクを施してもらって、髪の毛は雰囲気を変えるためにフィッシュボーンに。

気持ちを落ち着かせようと、必死に違うことを考える。そしたらメイクさんに『緊張してる顔してるよ』と笑われてしまった。

落ちていたらどうしよう。そんな不安が頭の中を過ぎる。さっきからずっと、心臓が音を立てて鳴っている。

瀧澤「…あ！いた、Aちゃん！」
「瀧澤くん！どうかした…？」
瀧澤「お礼だけ言いたくて。俺、Aちゃんから教えてもらったおかげでグループ1位取れました！ありがとう」
「おめでとう。瀧澤くんが頑張ったから取れたんだよ」
瀧澤「あの時Aちゃんに教えて貰ってなかったら高い音ずっと出ないままだったし、さらに頑張るきっかけをくれたのはAちゃんでしたよ」

にっこり笑ってそう伝えてくれる瀧澤くん。少しでも力になれたのなら、それで良かったのかな。

「……一緒に残って、次も頑張ろうね」
瀧澤「もちろん」

練習生内で本当の本当に最年少の瀧澤くんは、ときどき年上なんじゃないかと思ってしまうくらい大人っぽくて、私も頑張らなきゃと思う。ひとつしか違わないけど。

「…あ、拓実くん。お久しぶりです」
川西「久しぶり。…いよいよやな」
「……もう緊張して泣きそうなんですけど」
川西「今から出来るのは信じることだけやで」
「…最後まで、私と国プを信じます」

目を見て言えば、ふっと微笑んで頷いてくれた拓実くん。

川西「残って、一緒にデビューしよな」
「…もちろんです！」

そうだ。私は人生を懸けてここにデビューしに来たんだ。ここで落ちる訳にはいかない。何が何でも残って、次のステージに駒を進めてやる。

いよいよ時間だと言うので、一人でスタンバイ。

「平坦よりも上り坂！flatこと平瀬でーす」
「「かわいいー！」」
「あははっ、ありがとうございます」

直前に考えた挨拶をして、自分の椅子に座る。明暗がわかれる61位は最後に発表するため、60位からの発表と言われた。

もっと上の順位で呼ばれたいけど、でも少しだけ早く楽になりたいから早く呼んで欲しい気持ちもある。

でも、60位から31位までが呼ばれても私はまだ呼ばれていなかった。