#20 未完成 × 小坂菜緒 ページ39
「菜緒、私のこと"嘘吐き"って言って突き放してくれない？」
菜「え？何言っとるん？」
「…菜緒が、夢を見すぎないようにするためなの」
菜「…全然わからん。どういうこと？」
「…私のことを突き放してよ、お願いだから」
私が菜緒のことを好きな感情は当たり前のこと。
誰かを好きになる気持ちなんて誰にでもあるし、美しいものだと思う。
でも、もうこんな行き過ぎた感情なんていらないとさえ思ってしまっている。
菜緒との未来を消すために、私は今彼女にお願いをしているのだ。
こんな感情、世界から消え失せてしまえばいいのになんて、そんなことを思っても無駄なだけ。
菜緒のことが好きなのに、大好きなのに、愛してるのに
何故か彼女のことを傷つけてしまう。
「菜緒、お願いだから」
菜「前のことは気にしてへんよ？」
「違うの、そういうことじゃないの。…お願いだから振って。お願い」
こんな醜い感情、菜緒に見せてもただ落胆されるだけだろう。
これ以上、菜緒と離れる方法なんて見つからなかった。
なんて未熟な思考回路をしているんだろう。
考えればもっともっと選択肢はあったはずなのに。
菜緒に好きと言ったのはいつが最後だろう。
菜緒が私に好きと言ったのは、いつが最後だろう。
私たち、よく考えたら似た者同士だね。
でも、未完成のふたりが揃っても、なんの意味もなかった。
そんな似ているところに惹かれたけど、ふたりがいても"完成"になれることはなかった。
ずっとずっと、未完成のままだったんだ。
これは、もう私たちがこれ以上深い関係になれないって意味だと思った。
私たちはまだまだ未完成で、そんな私たちにしか見えていない世界は脆すぎて、長続きはしなかった。
菜「…会えてよかった」
「菜緒、たくさん傷つけてごめん。…でも、もう自由だよ」
私にはそんな言葉しか言えない。
今までたくさん縛り付けて、苦しい思いばかりさせてしまった。
だから菜緒。もう菜緒は自由だよって。それしか言えなくて。
「いいよ」
菜「え…？」
「またね、菜緒」
私たちの世界は、終わりを告げた。
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千星(プロフ) - とても大好きな作品でした！ (2022年12月13日 12時) (
レス) id: cdfbe05b8e (このIDを非表示/違反報告)
mitoma - 小坂さんと同じバレー部でずっと小坂さんのことを好きだった夢主がこの試合かったら告白すると親友の美穂渡邉言って付き合うのがみたいです！ (2022年12月8日 17時) (レス) id: 2050ea259a (このIDを非表示/違反報告)
*豆柴* - 京子さんが中学校の先生で、思春期の夢主が先生を好きになるけど親にばれて目の前から消えてしまった先生を必死に探してみたいな話がみたいです。 何度もリクエストすみません。 (2022年12月4日 20時) (レス) id: 1e8815c1ca (このIDを非表示/違反報告)
みりん - 家入レオの*未完成*という曲でかいてほしいです！小坂と夢主 (僕目線でお願いします。) (2022年11月23日 11時) (レス) id: 2050ea259a (このIDを非表示/違反報告)
*豆柴* - 中山優馬の『交差点』という曲で小説かいてほしいです。河田陽菜さんでお願いします！夢主は僕視点(曲の中の)でお願いします。 (2022年11月20日 17時) (レス) @page35 id: 1e8815c1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てん | 作成日時：2022年6月15日 21時
