第八話 ページ9
「まず箒と塵取り、そして水拭き用からぶき用のぞうきんを二枚ずつで、計四枚。
あとは、大きいごみ袋と、一応ゴム手袋。……こんなもんかな？」
「あとは油揚げ……いたっ」
「働かざる狐は、油揚げも食うべからずだよ」
悪いきつねは私のご飯にしちゃうぞ☆と言えば、こんのすけはおとなしくなった。
まあまあ、夕飯の時に気が向いたらほとんど私のみそ汁の具にはなるが油揚げを買ってもいい。
「よし、そしたら通販よろしく」
「では玄関にお願いします。すぐ届きますから」
さすが未来、すごいＳＦ。
と思いながら、玄関口に向かう。
すると、すでに人影が……あれは……配達員さん……？
「備前国××番本丸様だな。こちらに印鑑を」
「印鑑……あ、ありがとう」
こんのすけが、印鑑らしきものを咥えていたのでそれを受け取り、紙に押す。
もしかして、こんのすけってこういうところは有能……？
いまは、掃除だけだから役に立たないけれども。
「今の配達員さん、すげえ美形だったね？？」
「今の方も刀剣男士ですよ」
「へぇ、そういえば若干長義さんに似てたね」
同じ刀剣男士だからかな、とつぶやく。
金髪碧眼の王子様みたいな見た目。
「(私は、長義さんのほうが好きかな)」
私のために、何かしてくれたあの人。
そもそも、比べることがおかしいのだけれど。
「あの方は、山姥切国広様。長義様の写しにあたりますからね」
「へぇ」
写しとかよくわからないので適当に流しておいた。
後で、長義さんに聞いてみるか……話のタネにさせてくれ国広さんとやら。
「さて、こんのすけ。掃除に戻ろう……か……」
油揚げを一袋かっさらおうとしていた。
にこり、と意識して笑みを作って近寄る。
「ただ飯ぐらいはよくないよね？？」
とりあえず、こんのすけが全身埃まみれになったことで何があったのかは察していただきたい。
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作者名：ぺろ@IN率低下 | 作成日時：2018年11月23日 21時
