prologue ページ1
冬は二度寝に最適な季節だと思う。
布団の外の寒さに比べた布団の温かさよ。
布団が温くて、今日も幸せです。
「ああ、出たくない出たくない、でも出なくちゃ」
今日は、平日。そう、学校である。
出たくない出たくないと言いながら、私はしぶしぶ起き上がる。
うわ、今日も寒い、地獄だとぼやきながら。
「今日、朝ご飯何食べよ」
今日はパンよりご飯の気分。
・
・
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「行ってきます」
少し遠くからいってらっしゃいの声が聞こえる。
それを聞きながら、歩く。
駅までは二十分ちょいかかるが、自転車は先日パンクして修理中だ。
「(それにしても、今日の授業何あったけ……数学があったような、なかったような……)」
考え事をしながら、歩く。
歩いて、途中で気づく。……ここ、道路じゃない。
うつむいていた、顔を上げる。そこには……
「こ、こは……」
目の前に広がるのは、おどろおどろしい日本家屋。
まるでどこかのアトラクションのようであるが、
私はテーマパークに行った記憶は一切ない。
だから、問いたい。誰でもいいから教えてほしい。
「(ここは、どこ……)」
その時、一人の男性の声が聞こえた。
「君、そこで何してるんだい」
その人が、救世主に見えた。
フードかぶってて、顔がほとんど見えなくて怪しさ抜群だったけれども。
「(え、それよりなにより声がいい……)」
彼の美声に酔いしれていた私には些事である。
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作者名:ぺろ@IN率低下 | 作成日時:2018年11月23日 21時