第五十陣 茶会 ページ10
「お、大将。それに、今剣と岩融の旦那も一緒か」
「……彼女が、新しい審神者、ですか」
鶯丸さんをお茶に誘いに行ったら、江雪さんと薬研に出会った。
……意外な組み合わせだ。数時間前の会話の雰囲気はあんなに剣呑であったのに。
「初めまして」
「ええ、そうですね。……あなたは、一期一振のそばにいなくてもよいのですか？」
一期さんの計画を知っていたのだろうか？
それに、主語とか述語とか足りなさ過ぎて彼の質問の内容をあまり理解できなかった。
私の頭の出来はあまりよくありませんので、もう少し具体的な内容を教えてください。
「きっと……大丈夫です、彼らにとっていい方向に向かいますよ」
「そうですか」
ふと優しげな顔をしていたから、彼も一期さんのことを心配していたんだろうな、と思った。
……ねえ、一期さん。きっと、あなたは生きていてよかったんだよ。
みんな、貴方の刀解なんて、願っていなかったんだよ。
「(……良かった)」
あなたを刀解せずにすんで、本当に。
今度、妖精さんたちには何か持っていこう。お菓子とか、お神酒とか？
一体、何がいいのか今度聞きに行こう。
□
「おや、審神者じゃないか、どうしたんだ？」
「お茶のお誘いですよ」
「こんな組み合わせでか？」
私の後ろには、薬研、今剣、岩融さん、そして江雪さんがいる。
確かに、珍しい、どころか意味の分からない組み合わせである。
「はい」
「……そうか。なら、俺もお邪魔させてもらおう」
うれしくて、思わず笑みがこぼれる。
みんなで茶室のほうへ向かって歩いている途中、
ふいに鶯丸さんがいった。
「ありがとう、審神者」
「はい？」
「少しずつだが、確かにこの本丸は、変わっていっている。
……これも、君のおかげだ。本当にありがとう」
「……いいえ、私が変えたんじゃなくて、みんなが変わりたいと思っていたから、変わったんだと思います」
言葉には出さなかったけれど、それに、と心の中で付け足す。
私の少し前を歩く、小さいけれど、とても頼りになる背中を見つめる。
「(……薬研が今まで助けてくれたから、私はここにいられる)」
なんとなく視線を外せなくて、しばらくその背中を見つめていると
ふいに薬研が怪訝そうな顔でこちらを振り返った。
「どうかしたか、大将？」
「えっ、いや、なんでも、ない、よ？」
突然のことで、返答が思わずしどろもどろになってしまった。
薬研は、納得いかなさそうな顔をしながらも、何も言わずに視線を戻した。
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ANZU* - とても面白かったです。薬研との今後や加州達が来てからの話なども見てみたいです。 (2023年2月13日 21時) (
レス) @page26 id: ff73ec05c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぺろ@IN率低下(プロフ) - 霊華さん» コメントありがとうございます……！私情であまり更新できないのですが、完結できるよう頑張らせていただきます……！！ (2018年9月6日 19時) (レス) id: df7989d6de (このIDを非表示/違反報告)
霊華 - とても面白いです！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2018年8月23日 22時) (レス) id: 0beaa7df7a (このIDを非表示/違反報告)
ぺろ@IN率低下(プロフ) - Sazanami_syoutanさん» コメントありがとうございます……励みになります……！更新のほうも遅いですが、頑張ります……！！ (2018年2月15日 20時) (レス) id: df7989d6de (このIDを非表示/違反報告)
Sazanami_syoutan(プロフ) - 面白いです!更新楽しみに待ってますね!! (2018年2月15日 1時) (レス) id: 39d69f205d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺろ@IN率低下 | 作成日時：2017年11月20日 22時
