第五十六陣 隠し事 ページ16
「検非違使について、今はどこまでわかってる？」
「はい。報告を見る限り、現れる戦場はランダムです。
また、長くとどまった時代にあらわれているよう、ということを複数の審神者様方がおっしゃっていました」
「……目的は」
「不明です」
まじもんの謎の第三勢力じゃん。ハードモードにもほどがある。
渋い顔をしているであろう私にこんのすけが告げる。
「検非違使と交戦した場合は、些細なことでも気にかかったことは報告するように、とのことです」
「めんどくさ」
絶対、ちゃんとした内容じゃないと怒るでしょ。
『めっちゃ強かったです』とか『怖かったです』だとだめなんでしょ。
……というか、私がほかの審神者さんが気づかない何かに気づけるわけない。
「めんどくさいことになった」
三つ巴って、一番嫌いかもしれない。
それに、……失う可能性を孕んだ戦いなんて、いやだ。
□
近侍は相変わらず、薬研固定だ。
というか、ほかの刀剣男士たちに薬研以外が近侍というのを許してもらえない。
ほかの刀剣男士とも、仲良くなりたいんだけどな……
「大将、どうした」
「えっ」
薬研が、こちらを見つめている。
その瞳は、本当にあたたかくて、これを失うかもしれないというのが……ひどくおそろしかった。
「ううん、……なんでもないよ」
そういえば、薬研は驚いたように目を見開き、うつむく。
どうしたんだろうと思い、薬研と声をかけながら近づくと、
薬研が顔を上げた。飛び切りの笑顔で。でも、その目は笑ってなんかいない。
「……！！？」
「……なあ、大将。俺、言ったよな、隠し事はなしだって」
恐ろしい地雷を踏んでしまった、と思ってももう遅い。
薬研が、私の手首をつかんで……
・
・
・
薬研と私が、話し合ったのは一期一振と和解し後すぐだった。
というのも、薬研から話がある、と切り出されたからだ。
「大将、俺はこの本丸での薬研藤四郎の記憶を持っている」
「え……」
そこから、薬研のこの本丸への思いとか、
主である私への思いだとかを話した。
「大将は、どう思ってる、この本丸について」
「私は……」
正直に話した。いいところ、わるいところ、私が思うこと全部。
お互いに、お互いが思っていることを話し合った。
そして、結びに彼がこういった。
「大将、俺たちの間では隠し事はなしにしよう」
「……そうだね、そうしよう」
私も、薬研も、隠し事はなしね。
そう、笑いあった。
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ANZU* - とても面白かったです。薬研との今後や加州達が来てからの話なども見てみたいです。 (2023年2月13日 21時) (
レス) @page26 id: ff73ec05c8 (このIDを非表示/違反報告)
ぺろ@IN率低下(プロフ) - 霊華さん» コメントありがとうございます……！私情であまり更新できないのですが、完結できるよう頑張らせていただきます……！！ (2018年9月6日 19時) (レス) id: df7989d6de (このIDを非表示/違反報告)
霊華 - とても面白いです！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2018年8月23日 22時) (レス) id: 0beaa7df7a (このIDを非表示/違反報告)
ぺろ@IN率低下(プロフ) - Sazanami_syoutanさん» コメントありがとうございます……励みになります……！更新のほうも遅いですが、頑張ります……！！ (2018年2月15日 20時) (レス) id: df7989d6de (このIDを非表示/違反報告)
Sazanami_syoutan(プロフ) - 面白いです!更新楽しみに待ってますね!! (2018年2月15日 1時) (レス) id: 39d69f205d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぺろ@IN率低下 | 作成日時：2017年11月20日 22時
