恋愛体質な俺 3

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橙side

家のドアが閉まった音が聞こえて

静かになると驚くくらい




鼓動が早くなってる





「ただいま」





今日一日しかいなかっただけなのに

懐かしさを感じつつある家






「大毅、とも……」





「おかえり、あきちゃん」




「ただいま」




リビングに行けば二人はいた




朝あんな別れ方をしたから
大毅は返事をしなかった





「あのさ、二人に話があるんだけど。」




「うん、俺らも。ね、大毅」





「………」





「取り敢えず、座って」


「うん……」




やっぱり、好きなんだよな…





嫌いになんてなれないや



「大毅も、ともも本当に朝はごめんなさい。
私、動揺してたみたいで……

だから、その……」


いざ口に出そうとすれば
苦しくなって話せない





「彼女ちゃん。
ここに呼んであげて。
それで、大事にしてあげて。」




「俺ら二人はね、大毅が家を出て行くって
決めたんだよ。
あきちゃんが、ここにいるのが辛いなら
大毅が家を出るって。」



大毅なりの優しさ



「大丈夫！
私、ちょうど独り立ちしようと思ってて。
一人暮らしするつもりだったから。
タイミングが良かっただけ。」



「あきはさ……、俺といるの嫌やったんやろ。
なんでずっとおったん。
俺、あきが傷ついてたん知らんかったのに。」






朝と一緒傷ついた顔をした。



「好きだったから…大毅が。
大好きだったから。

ともも大好きだし、家族だったから。」





素直な気持ちはどうしてこんなに伝わらないんだろう




「だからこそ、苦しくても一緒にいたかった」






「はい、、もうこの話は終わり。
私は出ていく準備をしなくちゃ」




「あ、待てってあき！」




聞こえないフリ
聞かないフリ





だってこれ以上あそこにいたら


「っ……っう…」




泣いちゃうのバレちゃう





だから、早く戻らないと。









・









・



「それじゃあ、行くね。」




寝静まった朝方





行く場所なんて決まってない


ただ、ここから離れられれば





それでいいから。




「今まで、ありがとう。」



夕日が綺麗に見える


なんかキラキラして






「あ、そうだ。
母さんと住んでたお家に行こう」




本みたいな話は現実になることなんて
ないのだから。





私は前を向いて進むよ。




end.
いや、めちゃくちゃ長くなりました。
そしてまだ、終わってないです。笑

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