恋愛体質な俺 2

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桃side

照史を引っ張って家についた




自分が泣いてるなんて思いもしなかった




「………」




「…………」






二人とも無言が続いた




「覚えてる？
望と初めて会った日」





泣きはらした目で俺を見る




「その後の、
望が聞こうとして答えなかったこと。」




一息ついて俺を見る。





「大好きだった人に振られた。
何がだめだったのか、何が嫌だったのか
全くわからへんかった。」





苦し紛れの言い訳を聞いてるようで





「だから、電話して何があかんかったんかって
どうやったら元に戻れるんやろって



知りたくて、望と過ごしてた」






ほんとに、俺は何を聞かされてるん？





「でも、過ごしていくうちに
気持ちも淳太くんから望に移っていくのも
ちゃんと、自分でわかった。


ほんまに、ほんまに………
望のこと、大好きで愛してる。」




俺も、ちゃんと愛してる



けど、多分照史はその淳太って人に
向いてきてるんやと思う







「俺が重荷になってる？」





照史を見れなくて
下を向いてしまう、そんな弱いやつ





「なってない……
俺、望のこと好きやもん。
大好きで、愛してるから……」






結局、選べへんねや



それくらい、大切な人やったんや





「でも、淳太くんに好きやって
もとに戻りたいって、俺嬉しくて……」





泣いてしまわないように
唇を噛んで





爪が食い込むほど握りしめて






それすらを愛おしいのに





その気持ちはその人には勝てへんねや



「ええよ、もう。
大丈夫、ちゃんと伝わった。」







赤くなってしまった唇と手を

優しく擦る






「のぞ、む……？」







「十分に伝わった。
俺も、照史が幸せになってくれるんが
嬉しいし、幸せになる」





ほんとは、渡したくない



愛してるから







「俺、もう出ていくから。
忘れて、幸せにしてもらって。」






こぼれ落ちた涙は

拭えなかった






俺もこぼれ落ちたから




ごめんな、こんな俺で。

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