恋愛体質な俺 2

期間限定 桃×橙 ページ22

橙side

ほんの些細なことやった。



多分、だから思い出せないくらい

喧嘩の原因を探してる





ただ気持ちを癒やすため




話を聞いてもらおうって魂胆で







何を売りにしてるのかなんて知らない


この際、悪い人に騙されてもええやって






軽い気持ちやった。






『期間限定』





少し、どう仕様もない気持ちを吐き出せる
場所が欲しかったから





「あの、ここの……」





頼んだ人が


友達感覚で話せる人ならそれでええって





思うてた






ピンポーン


「はーい」







ドアを開けると


「期間限定カレシ、小瀧…え？」






「え？」





キョトンとした俺ら二人




「も、もしかして…
期間限定って……友達やなくて彼氏……？」




おそるおそる聞く



できるなら、耳を塞ぎたい






「そうっす…よ」





挙動不審な俺ら


「と、取り敢えずここではなんやから
中へどうぞ…」





傷を癒やすどころか、えぐった気がする







「ほんっまにごめんなさい！」



「はぁ……」





一生懸命に頭を下げる俺と


頭を抱える小瀧さん







「話を聞いてくれる人って思ってて……」






「それで、サイトの内容もみずに…」






また頭を抱える





「ここでは、あれなんす。
契約した時点で2ヶ月一緒に暮らすっていう……」





「え、まじすか……」







「俺、それで住むところ確保してるんす。」




「てことは……もしかして」



「住む家ないっす」







困ったように俺を見る。





「で、でも俺のせいやから…
2ヶ月、ここで暮らしてください」






土下座とともにお届けする





傷はどんどんえぐられていく





「じゃあ、これからは敬語禁止で。
あと名前で呼びましょ。


ついでやし。」





「照史です。」




「望、あとで荷物が届くんで。」







こうして始まった



期間限定の、関係……

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