【twst】私はただの比較対象

29 ページ29

.






どこかから笑い声が聞こえた。

辺りをキョロキョロと見渡すと、後ろに立っていた彼と目が合った。


『……な、何？ジェイドくん』


「ふふ、まさかあなたって意外と間抜け……、
いえ、集中力の高い方なのだと思い感心しまして」




おい、今完全に"間抜け"って言ったでしょ。
こっちにバッチリきこえてんだけど。




『いや、急になんで…？』


「だって会議中のAさんはずっとヴィルさんを真剣に見つめていらっしゃいましたから。学園長のお話を"全然聞いてなかった"のはそのせいではないかと推測したまでです」


「いや、A氏が会議中ずっとヴィル氏のことを見つめてたが分かるってことはさ、ジェイド氏はずっとA氏のこと見てたってことじゃん(((((「イデアさん？？？？？」

…………ひぇ、な、なんでもないです。」



イデアさんはジェイドくんが怖いのか、プルプルと震え出す。(可愛い)


そしてイデアさんは"あーそういえば新イベ走らないとなー。ってことで拙者はこれで失礼！！"と棒読みで言って逃げやがった。

イデアさん無慈悲過ぎ！今日からの新イベあるわけないのに。嘘ついてまで私を置いていくなんて…！









「へぇお前、ヴィル(あんなの)が好きなのかよ」


『レオナ…………………………先輩。』


「え、レオナさん？」






実は私はレオナ………先輩とは知り合いだったのだ。それも結構昔から。

レオナ先輩だけでなく、この学園には私の小さい頃からの知り合いっていうのに値する人は他にもいる。


うちの寮長のイデアさんとその弟(天使)のオルトくんも学園に入る前から知っていた。


あと、………………いや、あの人はいいや。






まぁどれもこれも、知り合ったきっかけは全て家の事情だった。






「どういうご関係なのか非常に気になりますねぇ」




ズカズカとアズールくんが話題に入り込んできた。


いやてか君さっきまで学園長と話してたよね？？すごいな。意識のベクトルはこっちにも向いてたのかな。

30→←28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す