【twst】私はただの比較対象

21〜フロイドside〜 ページ21

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「ヤドカリちゃん！！！」




朝からしんどそうだったヤドカリちゃんが教室を出た瞬間倒れた。





倒れたヤドカリちゃんを見てワラワラと小魚みたいに群がって来るやつらがウザい。


しかも笑ってるヤツもいる。






「………ﾁｯ」



保健室に運ぼうと、ヤドカリちゃんを抱きかかえた。
でも群がってる小魚共のせいでうまく通れない。



「マジかよwwテイラーやば。二股じゃん
しかも相手リーチ兄弟とかもうスゴすぎでしょ」


「それなー。
監督生みたいに可愛くないのにどうやったんだよ」


「アイツ成績いいし、魔法でもかけたんじゃね？」





そんな噂話が聞こえてきてもっとイライラしてきたから、そいつらを蹴飛ばした。





「お、おい！何すんだよ！！」


「いった………」



「邪魔なんだよ。とっとと失せろ雑魚が」


「「「ひぃぃ」」」





口ほどにもない雑魚だな。ほんと。






保健室についたけど、先生は誰もいなかった。



勝手にベッドを借りてヤドカリちゃんを降ろして布団をかけた。




すると突然、ヤドカリちゃんが光出した。

眩しくて目を閉じたが、光が止んだと思い目を見開くと、そこに居たのは……




「えっ……」



髪の長い、綺麗な雌…………いや女の子だった。



………え、待って。
ヤドカリちゃんって魔法で格好変えてたの？？



いつもは、ピンクゴールドのショートカットの髪型で、そこまでパッとしない感じの顔立ちなのに…


今のヤドカリちゃんは、いつもと色は変わってないけどちょっとうねった長い髪に、整った鼻に長いまつ毛。童話で見た美しい人魚姫みたいだ。







「………こんなに可愛いとか聞いてねぇんだけど」


『……ﾝ………』





あっ、やべ。起こしちゃった。






「オレもう行くね」


『……やだ』


「!!………っ」


『どこにもいないで……』





ヤドカリちゃんは涙目になってオレの手を掴んだ。

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