【梵天】私の婚活、邪魔すんな！

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＿＿＿＿マイキーさんってなんか寂しそうだよな。



湯船につかりながらそう思った。
初めて会った時からそうだ。目の下のクマも凄いし…



実は今、私が生きていられるのはマイキーさんのお陰。もし、私が彼にあってなかったら、死んでたかも。









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〜1年前くらい〜


付き合ってた彼氏がほかの女と私のベッドで浮気していて、全てが嫌になって家を飛び出した日のこと。

私の今まで働いて稼いだ金の全財産をアイツらに奪われて人生詰んだなーって道端に座りこんでた時だったかな。




「何してんの？おねーさん」


たい焼きを咥えてた白髪の小柄な男性に話しかけられた。


イケメンだな。てか、目の下のクマすごっ！！




『これからどうしようか悩んでます』


だって、帰る家もないしお金もない。

職場の同僚にも頼れる程仲がいい人なんていなかった。だってみんな私のことを"若いから"と言ってパシリにしか使ってなかったから。


……いっそ死んだ方が楽かな………。





「……っ、、なんで泣いてんだ？」

『いや、私なんか悪いことしたのかなぁ』



私何も悪いことしてないじゃん。

運悪くたまたま入ってしまったブラック会社で毎日死ぬ思いをしながら頑張ってただけじゃん。
そんで溜まった給料で豪快に大好きなケーキ食べようとしてただけじゃん。

付き合ってたアイツもそう。私から告白した訳じゃない。あっちが無理やり言ってきたから付き合ってただけなのに。





気づけばドバドバと目から涙が流れる。これじゃたい焼きさんも引き気味だよ。

って思ってたけど、彼は引き気味になるどころか、たい焼きのしっぽをちぎって私にくれた。


「ん。いちばん美味い所あげる」

『いいんですか…？』

「おねーさん可愛いから。」





……顔かよ。
ちょっと幻滅した。
でもなぜだか嬉しさの方が勝って思わず笑顔になった。



『たい焼きってこんなに美味しかったっけ…』

「笑ったり泣いたり忙しそー」

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