第21話 ページ25
鶴丸国永 said
何処だ…ここ。
真っ黒で何も見えねぇ。
あれは…ッ!?主!?
死んだはずじゃ…嫌だ!来ないでくれ!!触るな!!
誰か…誰か!!
あ、あれは…誰だ?
暖かい…あっちに行けば何か…!
俺は暖かくていい香りがする、明るい場所へ走った。
〜〜〜〜〜
「ん…んん。…此処は?」
『起きたか?』
「ッ!?なんでアンタが…!!」
目を開けると、目の前には奴がいた。
『いきなりお前が倒れるからびっくりしたよ。お前、人生には驚きが大切って…こんな嫌な驚きいらねぇよ…。』
奴は、安心したかのように、はぁ…と溜息をついた。
…いい香り…さっき見た夢と同じ匂いだ。
誰だ?この匂いは…。
『あ、そうだ鶴丸。』
俺は奴に名前を呼ばれて首を傾げた。
『そろそろ手離してくれるか?』
「は?何言ってッ…!?」
俺は奴の手をしっかりと握っていた。
しかも、解き難いように恋人結び、というつなぎ方をしていた。
俺は慌てて手を離した。
「な、何俺と手を繋いでるんだ!?」
『お前がうなされてる時に、俺の手をいきなり握ってきたんだ。俺は寝てる人の手を握るような変態じゃねぇよ。』
たしかに…寝てるときに襲ったりするのは、前の主くらい…。
【おはよぉ…鶴丸ぅ?】
【何寝てんだよ。俺の前で寝るなんて…お仕置きが必要だなぁ?】
…ッ…嫌、だ。
「ッ、ふ…ぐッ…や、やだ…嫌だぁ…ごめんなさい…ごめんッなさい…襲わない…で…」
身体が震える、勝手に涙が出る。
あの暖かい人は何処だ…あの人に、会いたい…!
『国永』
「!?」
名前を呼ばれたかと思ったら、いきなり抱きしめられた。
「ひッ…や、やめ…離せ…!い、嫌ッ」
『国永。あいつはもういねぇよ。お前を傷つける奴は、今はもう此処にはいない。…だから、怯えなくていいんだ。お前の好きな驚きも、いつしてもいいんだよ…好きなことをすればいい。誰も、否定しねぇから。』
「!…ぁ…」
いい香り、暖かくて…夢に出てきたのと同じだ…。
俺は主の服をギュッと握った。
「…きみは、こうしてッも…怒らねぇ…か?」
主は驚いた顔をしたが、すぐにふっと笑顔になった。
『いつでも…していいよ…。』
主に優しく撫でられた。
「ふッ…ハハッ…」
今まで、1番の驚き…だな…。
鶴丸国永 said 終了
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黒希輪廻(プロフ) - あと、文字化けが所々えぐいっす…… (2019年6月15日 19時) (レス) id: 4f06722720 (このIDを非表示/違反報告)
黒希輪廻(プロフ) - な、七話の内番の話、髭切が髭丸に…… (2019年6月15日 19時) (レス) id: 4f06722720 (このIDを非表示/違反報告)
高木隆(プロフ) - 豆犬さん» ありがとうございます!これからも頑張ってまいります! (2018年7月22日 13時) (レス) id: 6a7738c53a (このIDを非表示/違反報告)
豆犬(プロフ) - いえいえ、大丈夫ですよ(*´∨`*)これからも、頑張ってくださいね!!応援してます! (2018年7月22日 1時) (レス) id: 7127065132 (このIDを非表示/違反報告)
高木隆(プロフ) - 豆犬さん» 皆さま本当にご報告ありがとうございます…。アホな間違いを見せてしまいお恥ずかしいデス…。 (2018年7月21日 23時) (レス) id: 6a7738c53a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:高木隆 | 作成日時:2018年4月24日 19時