きみを好きになって～S・O～４ (ページ41)

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走り出してすぐ息が上がった。

運動不足が全速力で走ってんだもん、そりゃぁ当たり前だよな。

苦しくってマスクを外そうとしたけど、それはマズイって思い直した。

だんだんスピードが落ちて、マラソン？ジョギング？って感じの走りになってしまったけど、止めない。

足を止めたら、もう会えないような気がしたから。

おいらは今、Aに会えるかどうかの分岐点に立たされてる気がしたから。

なんでだろ？

ホント不思議。

面倒な女はすぐ別れてたのに。

最近のAは、どっちかって言ったら面倒な感じなのに。

自分の時間を削ってまで追いかけてさ、考える前に動いてる。

あー疲れてきた・・・。苦しい・・・。
明日筋肉痛になりそう・・・。

やっと公園にたどり着く。

人影が少なくて、日が陰ってきたみたいだ。

心臓がバクバクいってんのがわかる。

直感でここまで来たけど、Aはいるのか？

いなかったら？
いや、絶対いる！

苦しかったけど、足は止まらない。

ベンチが見えた。

苦しくてよく見えねぇけど・・・誰かいる。

A？

だんだん近くなって、Aだと確信する。

それと同時に、フツフツと怒りがこみ上げてきた。

引っ越したのに何でここにいるんだよ！
会いたくて連絡待ってたのに、何で写メだけなんだよ！
会いたかったのは、おいらだけ？
何で・・・痩せてんの？

普段怒らないおいらだけど、怒るよ。

覚悟して、A。

周りの桜なんてただのピンクにしか見えない。

そのピンクの中のAめがけて・・・。