きみを好きになって～S・O～４ (ページ36)

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ニノのことだからもしかして・・・なんて思ったけど

「聞いてませんよ。
おれの彼女でもないのに、何で聞かなきゃいけないのかなぁ・・・。」

「そっか・・・。」

「自分の彼女だろ、自分で聞きなよ。」

ま・・・そうだよな。
でも・・・電話出てくんないし・・・。

「方法はまだあるでしょ？」

「え？」

「売りに出てるマンションの不動産屋とかさ。」

「！」

そっか、サンキュ。

「ね、アトリエのさ、マンションの3階の部屋が空いてるみたいなんだけどさ。
あれ、賃貸になんねぇかな？」

帰りの車ん中でおいらは寝ようともしねぇで、マネージャーに聞いた。

「３階ですか？
上の階はファミリー向けの間取りじゃないんですかね。
どうするんですか？」

「なんか狭くなってきたからさ。
３階だったら明るいし、どうかなって思ってさ。
調べといてくんない？」

「はぁ・・・。」

なんとも気のねぇ返事だな。

「それと明日さ、午後とか空いてない？」

「明日は・・・夕方なら少し空いてます。」

「社長、明日どこにいるか調べといて。」

「えっ？」

運転中のマネージャーが後ろを向こうとする。

「前見て、前！」

おれの顔を見た社長が、一瞬微笑みを消した。

「もう諦めたのかと思ってたよ、大ちゃん。」

「ちょっと、いいですか？」

「あんまり時間取れないよ。」

「いいです。
おれもまた、行かなきゃいけないんで。」

社長の表情が、また柔らかくなった。