きみを好きになって～S・O～４ (ページ35)

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おいらが会えないのに、みんなが勝手にAに会いに行くのが不満だった。

Aの気持ちを聞けないでモヤモヤしてんのに、みんなには気持ちを話してるっていうのも、なんか違う気がする。

「それで、自分ではどう考えてるんです？」

すべて知ってますって顔つきのニノが聞いてくる。

知ってんなら教えてくれたっていいじゃん。

「・・・ホテルで・・・酔っ払って・・・他の女と腕組んでるとこ見られたり・・・元カノとタクシーで帰って来たの見られたり・・・浮気だって思ったんじゃねぇの？」

心ん中にある片方の理由をとりあえず言ってみる。

ニノは表情ひとつ変えないで

「オジサン、バカなの？
・・・それともおれにも隠すわけ？」

って鼻で笑った。

なんだよぉ・・・。

「ひとつ教えましょうか？
ことの発端はね、彼女の結婚願望ですよ。」

「・・・。」

やっぱりそうかって心の奥で思った。

「彼女になれても・・・智くんとの将来を考えられないのは・・・辛いかな。」

あの言葉は、最初から結婚願望を持ってたってことだよな。

でもおいらには無いって知ってるから、いつかこうなるって思ってたってわけ？

見合いの話があって心が揺れたってことだよな。

「結婚・・・するのかな？
その為の引っ越しなのかな？」

「もしそうだとしたら？
諦めちゃうんですか？
全然納得してなくて、知らないことばかりなのに？
昔のように、面倒になちゃった？」

「だって引っ越し先わかんねぇもん。
携帯だってつながんねぇし。」

「でも番号やアドレス、変えてない。
そこに彼女の気持ちがあると思うんだけど・・・。」

ニノの言葉にハッとした。

引っ越しまでしたAが、携帯番号とアドレスだけは変えてない。

それは、そういうことなの？
それとも着信拒否してるの？

「引っ越し先聞いた、なんてことある？」