きみを好きになって～S・O～４ (ページ32)

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夏のチャリティー番組で着るTシャツのデザインをすることになった。

2年連続、今度も世界で活躍してる芸術家さんとのコラボ。

Aのことが気になって仕事どころじゃないっていうのが本音だけど、この仕事は違う。

絵を描く仕事っていうのも楽しいし、普通だったらそんな有名な芸術家さんとおいらがコラボできるわけがない。

だからいつになくテンションが上がる。

レギュラーの仕事をやりながら関係者と打ち合わせ、手元に残ってるAのマフラーと社長に会いに行く。

マフラーしてるとAも一緒にいる気がするからさ、いつもニコニコしてて話を真面目に聞いてくんない社長と会ってても挫けないでいられる。

そういえば、社長はおいらがひとりで会いに行ったこと、マネージャーや会社の幹部とかに言ってないのかな？

だってマネージャーに何言われないし、怒られもしない。

おいらが本気だって思ってないのか？

Aに会いに行きたい、電話もしたい、メールぐらいいいんじゃない？

心ん中はそればっかりだ。

でも拒否られたらどうしよう・・・。
番号変えてたらどうしよう・・・。

そんなAのマイナス思考がうつったような思いがよぎることもあったけど。

大丈夫、携帯では繋がってる。
いつでも会えるんだ。

そう確信してた。

・・・カンだけどね。

「リーダー、会いに行かないの？」

相葉ちゃんの率直な質問にも

「まだ行かない。」

別に頑なになってるわけじゃないけどさ。

「仕事で絵を描くんでしょ？
アトリエ行けばいいのに。」

「・・・。」

そうだよな、あそこに行けばいいんだよな。

もしかして、バッタリ会うかもしんねーし。

今なら、マネージャーに文句言われることもない。

ってことで久しぶりに行ったんだけど・・・。

Aが引っ越しして、あの部屋が売りに出てることを・・・知った。