きみを好きになって～S・O～４ (ページ25)

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175 Oside ページ25

「話、あるんですけど。」

結局丸々１曲踊るはめになったおいら。

満足そうな社長を追いかけて部屋を出た。

「ん、そうだろうね。
おおちゃんがここに来るなんて、他に理由ないよね。」

社長が入った別の部屋に一緒に入って、座った途端に

「おれの決意を聞いてもらおうと思って。」

社長のペースに巻き込まれないように先手を打つ。

「決意？」

にこやかなその顔は変わらない。

「・・・つき合ってるひとと、将来結婚する。」

おいらとしては真面目に言ったつもりだったけど、社長の笑顔は崩れない。

本気だってわかってくれないのかなぁ。

「自分がどういう立場にいるかわかって言ってる？」

「・・・はい。」

「それでも？」

「結婚してる先輩だっているじゃないですか。
それも20代で。」

「・・・大ちゃん、結婚願望ないって言ってなかった？」

「・・・言ってましたけど・・・。」

「相手に泣きつかれた？
そんな結婚はうまくいかないよ。」

「違います。
そりゃ・・・彼女の望みを叶えたいっていうのも多少・・・あるけど・・・。
彼女がいなくなったら、おれ・・・心から笑えないし・・・。
自分が幸せじゃないのに、ファンを幸せに出来ないし・・・。」

「さっきのダンス、周りの子たちは羨望の目で見てたよ。
これからもそういう存在でいてほしいけど。」

「なんか・・・彼女がそばにいてくれたら、これからだって・・・頑張れるんですよ。」

堂々巡りのような会話に、これ以上話してたら丸め込まれそうって感じる。

「今すぐってわけじゃないんです。
まだ彼女に何も言ってないし・・・。
だから、結婚したいって希望じゃなくて、結婚するっていう決意表明。」

じゃぁって立ち上がったおいら。

「何でここに来たの？」

「その方が話早いから。
もう決めたことだし。」