きみを好きになって～S・O～４ (ページ18)

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168 Oside ページ18

Aがテーブルにおいらの部屋の鍵を置いた。

何だよ、距離を置こうって。
おいら、まだ何にも話してないじゃん。

「ちょ、ちょっと、おれの話も聞いてよ。
違うから。
ホテルの時は、松にぃの誕生会で・・・酔っ払ってて、気がついたら知らない女の子に腕を取られてて・・・。
Aを見つけて、ハッとしたんだ・・・。
あの後、翔くんと帰ったよ。」

Aは唇を噛みしめて、おいらを見てる。

あれ・・・なんか・・・。

目の前のAに感じた違和感。

何だろ?

「タクシーのは・・・昔の・・・。
何年かぶりでバッタリ会って・・・仕事の愚痴聞かされて・・・・帰るタクシーに乗り込んで来ちまって・・・。
それだけだよ。
タクシー乗って行ったの見てただろ？」

「噂ならともかく、経緯はどうであれ自分の目で見てしまったから・・・。
私ってやきもち焼きなんだよ。」

Aが立ち上がり玄関に向かおうとする。

「待って！
少しってどのくらい？」

「・・・。」

「考えたら、連絡くれんの？」

別れようって言われたわけじゃないからって、Aの言葉にしがみついてるみたい。

「おれはAが好きだよ。」

「・・・今年の桜は・・・一緒に見られると思ったんだけどね。」

久しぶりに見る微笑みは悲しそうだった。