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時々私を気にしながらもスタスタと歩く大野さん。


何処に行くんだろう・・・
”5”かな


大野さんはそのうち周りも気にするようになって、様子がおかしい。


「あの・・・何処に行くんですか?」

「・・・ニノに・・・見つかるとめんどくさいから。」


方向的には駅に向かっているような気がするんだけど。


そういえば二宮さんて近くに住んでるらしいのよね
こんな繁華街なのに・・・


「やだ?」


大野さんの足が止まって、窺うような視線がぶつかる。


「大丈夫です。」


大野さんはホッとしたような表情になってまた歩き出した。









駅まで行って電車であっという間のひと駅。


改札を出てまもなく、商店街の中にあるビルの中に大野さんが入って行った。


1階はパン屋さんで、いい香りが漂っている。


大野さんはエレベーターには乗らずに隣りの階段を上って行く。


「ごめん、ちょっと待ってて。
これ、置いて来る。」


肩にかけていた図面ケースを手にして、ポケットから鍵を取り出した。


”待ってて”


その言葉にドキッとして体が動かなくなる。


中に入れてくれたけど、玄関で棒立ち状態。


大野さんはサッと部屋の中に行ってしまったけれど、あっという間に出て来た。


ここは・・・仕事場?


「行こ。」


外に出て大野さんがカギをかけるのをボーっと見ていると大野さんの声がした。


そしてまた階段を降りて外に出る。


スタスタと歩いて行く大野さんの後を追いかけると、今度は目と鼻の先にあるマンションに入った。


ここは1階がコンビニで、駅のホームが見える駅近もいいとこだ。


便利だけど・・・電車の音が五月蠅くないのかな・・・


そんなことを考えていたら、大野さんがエレベーターの前で”おいで”って手を動かした。


今度はエレベーターに乗るんだって思って、慌てて大野さんの近くまで駆け寄った。


「今更だけど・・・おれんち。
もしヤなら・・・どっか店でも・・・。」


ここまで連れて来ておいて?
それとも勘違いしてる大野さんは、二宮さんのことを考えて言ったのかな


「嫌だったら、最初からついて来ません。」


そう言うと、ホッとした表情でエレベーターのボタンを押していた。

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設定タグ:大野智   
作品ジャンル:恋愛
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Fg(プロフ) - ともさん» ともさん、コメントありがとうございます。やっと向き合うことが出来ました。後はひたすら甘く・・・したいです。 (2021年9月22日 23時) (レス) @page29 id: b0b3b50387 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 良かった…やーっと誤解だと智くんに伝わった。 (2021年9月22日 22時) (レス) @page29 id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
Fg(プロフ) - ともさん» 基本智くんは無口ですが、ここの彼は2人だと喋ってくれます。 (2021年7月28日 22時) (レス) id: b0b3b50387 (このIDを非表示/違反報告)
Fg(プロフ) - ともさん» ともさん、コメントありがとうございます。 (2021年7月28日 22時) (レス) id: b0b3b50387 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 智くんの大きな勘違い…口数が少ないから余計に??? (2021年7月28日 12時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Fg | 作成日時:2021年6月8日 10時

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