きみを好きになって～S・O～３ (ページ46)

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毎日のようにAの

「おやすみ」

って言葉を聞いて寝ていたおいらは、夕べ寝たっていう実感がない。

酒を飲んでいたんだから寝られそうな気はしてたけど、なんか寝不足。

自分のことは棚にあげて、Aとホテルで会ってた男のことばかり浮かんでくる。

「明日にでも行ってみる」

そうみんなに言ってはみたけど、Aから返事がないまま日付が替わってしまって、行くのが怖くなった。

家に帰ってから、３回目のメールをしてみる。

『ちゃんと話そう。』

それでもメールは来なかったし、おいらも眠れなかった。

愛想つかされたのはおいらの方かも・・・。

仕事が終わってアトリエまで送ってもらう。

絵を描く仕事が決まったから、ここに来ても何も言われない。

チャリが置いてあるのを確かめて３階に行ったけど、ピンポン押しても出てくる気配はないんだ。

仕方なくアトリエに戻ったけど絵なんて描ける状態じゃなくて、ソファーに寝転がった。

寝不足のはずなのに目がさえていて、ボーっと天井を見つめる。

はぁ・・・このまますれ違ったままでいいのかなぁ。

なんて思っているとスマホがメールを受信したみたいで、何も考えずにメールを開く。

『ごめんなさい。
今は無理です。』

Aからだって気づいて、思わず飛び起きる。

え・・・今は無理ってどういうこと？

『今どこにいるの？』

返事が返ってきたことにホッとしながら、メールを打つ。

『実家です。』

実家・・・。
正月帰ったばかりじゃん。

もう一度送ったメールに返事はなかった。