きみを好きになって～S・O～３ (ページ41)

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怒っているだろう智くんに、メールをするのは勇気が必要だった。

電話だったら出来なかったかもしれないけど、メールだから送ってしまえっていう気持ちで送信を押した。

メールってものがあってホントに良かったって思う。

不規則な仕事のひとだから、今までだってすぐ返事が来なくても気にしなかったけど、智くんは出来るだけ早く返事をくれようとしていた。

メールの文面でそれが感じられていたから。

でも・・・智くんがメールを無視したんだって、ホテルのロビーで会った時に気が付いた。

少し酔っているみたいだったけど、智くんの好み通りのスレンダーな女性と腕を組んでて。

なんて滑稽で愚かなんだろう。
信じたくはないけれど、これが現実だよね・・・。

つき合っているひとがいるからって長谷部さんとのことは断ったけど、もう駄目かもしれない。

でも智くんを好きな気持ちのまま、長谷部さんと向かい合うことは出来ないもの。

智くんに振られても、私の気持ちは変わらない。

この想いが行き場を失くしても、ひとりで胸の中で抱きしめ続けると思うよ。

迷っていたのが嘘みたい・・・。

もうすぐ家に着くって頃に、携帯の着信が鳴った。

「おばあちゃんが倒れた。
明日の朝、一番で帰って来なさい。
詳しいことは後でまた連絡するから。」

お母さんの一方的な言葉に切迫したものを感じて、緊張が走る。

とりあえず家に帰って、朝一番で帰れるよう準備をしてお母さんからの電話を待った。

智くんのことは頭から抜けてしまってた。