140 Oside ページ40
松にぃのちょっと遅い誕生日と新年会を兼ねた飲み会。
周りは盛り上がってるけど、おいらはちっとも楽しくない。
隣りにはスレンダーなモデルみたいな女の子がいて、何かっていうと腕とか触ってくる。
そのうちイライラしてきて、酒ばかり口に運んでた。
そのうち目が回ってきて・・・気が付いたらタクシーの中。
一緒に乗ってた女の子の香水の匂いがきつくて、車が停まった途端自分からタクシーを降りた。
降りて新鮮な空気を吸えたのは良かったんだけど、まっすぐ立ってられなくてよろめいてしまって、女の子に支えられるっていうカッコ悪さ。
「大ちゃん、だいじょぉぶ？」
甘ったるい声がすぐそばで聞こえて、なんか気持ちわりぃ。
それでも腕に絡みついた女の子の腕を振りほどけなくて、そのままホテルの中に連れて行かれた。
ざわついてるホテルのロビーで目に飛び込んできたのは、Aの姿。
え・・・何で・・・こんなとこに・・・？
酔ってるから見間違ったのかなって思ったけど、ちょっとぽっちゃりだからやっぱりAだ。
そのAが話してる相手を見て、おいらの足が止まった。
一気に酔いが醒めていく。
あの男・・・。昨日の・・・。
話を聞いてほしいってメールしてきたのに、また見合い相手？と会ってる。
何でそんなことすんのか、Aの気持ちが全然わかんないよ。
「大ちゃん？
どうしたの？」
隣りの子が聞いてくる。
そのうちAが男と挨拶をして、おいらの方に歩き出して目が合った。
広いロビーでおいらとAの時間だけ止まった感じ。
「おい、大丈夫か？」
Aの後ろの方から姿を見せた松にぃ。
そしてどこからか現れた翔くん。
Aをここから早く帰さないとって思いで
「あ、翔く〜ん、愛してるよ〜。」
と翔くんを巻き込んだ。
Aが俯いておいらの横を通り過ぎた。
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作者名：Fg | 作成日時：2014年9月19日 16時
