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１階のロビーまで送ってくれた長谷部さん。
大人の対応で私の恋愛を応援するって言ってくれて、申し訳なくて頭が下がる。
「ありがとうございました。ここで結構です。」
「いい知らせを待っています。」
そんな報告なんて出来ないことは自分が一番わかってるけど、長谷部さんに弱々しい笑顔を見せる。
だってそうするしかないじゃない？
長谷部さんと別れてホテルの出入り口に向かおうとしたとき、私の視界の中に智くんの姿が飛び込んできて、思わず足が止まった。
いつもの帽子にマスク。
その隣には・・・スレンダーな女性。
まるで恋人のように腕を組んで・・・。
何の感情も入ってないような表情で、私を見てる。
目の前の光景に、悲しくて苦しくて息が出来ない。
「おい、大丈夫か？」
私の後ろから来た男性が智くんに声をかけた。
「大ちゃん、こんなにお酒弱いの？」
「こいつは弱くないよ。」
「え、Aさん？」
突然またまた後ろから櫻井くん登場。
私の視線の先を見て、智くんに駆け寄って行く。
「智くん、どうしたの？」
「あ、翔く〜ん、愛してるよ〜。」
智くんがあんなに酔ってるのを初めて見て更に驚いた。
「あ、櫻井。
どうしてここに？」
「松岡くん・・・。
番組の打ち合わせで・・・。」
「ちょうどよかった。
こいつ、連れて帰れ。
そんなに飲んでないのに、悪酔いしてる。」
「はい。
智くん、帰ろう。」
櫻井くんが私の方をチラっと見て、智くんを女性から引き離す。
そこでやっと足が動いて、出入り口に向かって歩き出せた。
智くん達を無視して、寒い夜の中に出て行く。
智くんをあんな風にしてしまったのは、紛れもなく私だ。
あんな表情初めて見て、締めつけられた心か痛くて苦しい。
胸元にある青をコートの上から感じながら、溢れそうな涙をこらえて歩き続けた。
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作者名：Fg | 作成日時：2014年9月19日 16時
