きみを好きになって～S・O～３ (ページ34)

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誕生日当日がきて、またきみより年上になった。

そして・・・去年きみと出会った日でもあるのよね。

きみは絶対気付いてないと思うけど・・・。

だから今日は、悲しくて嬉しい日。

日付けが変わってすぐに届いたきみからのおめでとうメールは、心から嬉しかったよ。

出会って１年、つき合い始めて普通の恋人同士とは違って頻繁には会えなかったけど、その割にはいろんな事があったと思う。

それでもきみの気持ちは変わることなく、こんな私を好きでいてくれた。

きみと出会って、きみを好きになって、きみから沢山の気持ちをもらって・・・。

それなのに私は何を迷ったりしてるんだろう。

自分ひとりの時間が大事なきみが私のことを気にかけてくれている。

それだけで充分だと思えるよ。

サファイアのネックレスだけじゃなくて、サファイアのリングが私の迷いを消してくれるみたい。

その青が私を守ってくれるみたい。

暗くなって、知らない番号から着信があった。

いつもなら無視するんだけど、何故か出た方がいい気がして電話に出てみた。

「長谷部です。」

「あ・・・こんばんは。」

「こんばんは。
今、東京に向かっているんですけど、Aさんのお母さんから荷物を頼まれまして。
お届けしたいんですけど、今夜大丈夫ですか？」

「はっ？」

なんてこと・・・。
お母さん、長谷部さんに宅配を頼むなんて、いくらなんでもやりすぎじゃない。

「ちょっと遅くなるかもしれませんが、着いたら電話しますんで。
大丈夫ですか？」

「すみません！
お仕事の為の上京なのに、そんなこと頼むなんて・・・。
母には二度としないよう言っておきます。」

「ついでなんで大丈夫です。
じゃぁ、またあとで。」

電話を切るとすぐお母さんに電話を入れ、長谷部さんを都合よくあてにしないよう釘をさしておく。

長谷部さんとのことを良い方に考えてしまっている両親が、なんとなくイヤだった。