きみを好きになって～S・O～３ (ページ33)

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翔くんが帰った後のAは、普通だった。

「どうした？
翔くんと何かあった？」

って聞いてみたけど、

「・・・ううん。
櫻井くんとふたりだけって、やっぱり緊張する。
何話したらいいかわからなくて・・・。」

翔くんが言ってた「見合い」ってどういうことだろ？

その後の声が小さくて聞こえなかったな。

「アイドルスマイル全開で見られると、恥ずかしい。」

まぁ翔くんだからな。

「おいらには出来ねぇなぁ・・・。」

思わずひとりごとのようにつぶやくと

「ふふ・・・智くんはそんなこと出来なくていいの。」

優しく微笑んでた。

「そのままがいいのよ。」

そんなこと言われると恥ずかしい。
っていうか、それも仕事なんだけど・・・。

おっと、忘れるとこだった。

今日の為に用意したものを、テーブルの上に置く。

「・・・一応・・・プレゼント。」

Aの胸に輝くクリスマスにあげたネックレスは、まるでおいらの物だっていうみたいに青の存在を主張してて、それでもまだ青を選んだおいら。

そういうプレゼントのことは詳しそうな松潤に相談したんだけど、青い石は９月の誕生石で１月は赤いんだって。

でもいいんだ。

Aにはやっぱ青を持っててほしい。

赤なんてぜってーやだ。

リングは薬指に入らなくて、結局サイズ直しを頼むことにした。

「・・・ごめんなさい。
・・・せっかくのプレゼントなのに。」

「ん？・・・おいらがサイズを聞かなかったのがわりぃんだろ？
内緒にしたかったんだけどさ・・・。
まあ、少しおあずけってことで。」

ずっと涙目になってる遥だけど、ホントに嬉しいのかな？

さっきの翔くんとの話を何で黙ってるんだろうって思ったけど、何も聞けないんだ。

情けないよな。