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櫻井くんが帰ると智くんが目の前に座った。
「どうした？
翔くんと何かあった？」
「・・・ううん。
櫻井くんとふたりだけって、やっぱり緊張する。
何話したらいいかわからなくて・・・。」
「・・・そう？」
「アイドルスマイル全開で見られると、恥ずかしい。」
「おいらには出来ねぇなぁ・・・。」
「ふふ・・・智くんはそんなこと出来なくていいの。」
智くんがキョトンって顔つきになった。
「そのままがいいのよ。」
彼の少年のような笑顔を見ていると、悩みも忘れてしまいそう。
「改めて誕生日おめでとう。」
「さっき言ってもらったよ。」
「さっきは翔くんとまとめてだったからさ、今が本番。」
「ありがとう・・・。」
この歳じゃあんまり嬉しくもないけど、智くんが祝ってくれるってだけ幸せを感じる。
「これ・・・。」
椅子にかけてある上着のポケットから取り出して、テーブルに置いた小さな箱。
青いリボンが掛けられたそれを手に取る。
「・・・一応・・・プレゼント。」
照れくさいのか、頭を掻きながらの小さい声。
「・・・開けていい？」
断って開けると、シルバーに青の石がのったリングがあった。
「サイズもわかんないし・・・青い石がいいって言ったら、松潤が・・・誕生石は赤い石だって・・・。
でもネックレスが青だから、青にしたかったんだ。
赤なんて翔くんのみたいでやだし・・・。」
智くんの視線が私の胸元に移る。
「ありがとう・・・。
でも、クリスマスにもらったばかりだからよかったのに・・・。」
私の胸元で青い輝きを放つネックレス。
もらってからまだひと月ぐらいなのに・・・。
「おいらだって続けてもらったじゃん。」
いやいや、どう見たって金額が違うでしょ・・・。
「サイズが合わなかったら、直せるし。」
「・・・ありがとう。」
智くんの気持ちが嬉しくて、涙がこみ上げてきた。
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作者名：Fg | 作成日時：2014年9月19日 16時
