126 Oside ページ26
「智くん、去年言ってた店なんだけど覚えてる？」
「・・・店？」
翔くんに言われて眠ろうとしていた目を開ける。
「目立たない個室のある和食の店。
忘れたの？」
「・・・ん？
・・・いや、覚えてる。」
Aの誕生日が近いから、外でメシでもって思ったアレだよな。
「条件に合う店、あるんだけど・・・。」
「ん、サンキュ。
今夜Aに会うから、話してみる。」
「サプライズで連れて行くんじゃないの？」
「・・・いや・・・。」
「何で？
その方が彼女さん喜ぶと思うよ。」
いつのまにか翔くんの後ろから、相葉ちゃんが覗き込んでる。
「・・・今まで、出かけたことねぇから。」
「は？」
隣りで聞こえていたゲームの音が聴こえなくなった。
沈黙・・・いや、絶句か？
「マジ？」
「マジ・・・。
一度もない。」
「じゃあ、いつもおうちデート？」
「うん。
・・・おれの部屋の合鍵持ってるから、休みの時来てメシ作ってくれたり・・・おれがAんちに行ったり。」
「・・・まぁ、そうなっちゃうよな。」
松潤まで寄ってきて、なんかさ、楽屋でおいらとAの話すること多くねぇか？
「あと、カモフラージュで友達呼んだりしてさ。」
「Aさん、何も言わないの？」
「だって、秘密にしてほしいって言ってきたぐらいだもん。
だからおれの友達には会わないからって言われてた。
・・・翔くんに会っちゃったのは仕方なかったって言ってたけどね。」
「あ・・・おれ、会っちゃったのまずかった？」
「ん・・・まぁ大丈夫だよ。」
おいらのことを思ってくれたうえの行動を、まずかったなんて言えないよ、松潤。
「じゃぁ、Aさんに確かめてから予約しようか。」
「・・・ねぇ、翔くん。
その時さ、翔くんも一緒にいてくんない？
３人ならいいって言うかも。」
そういえば翔くんの誕生日も近いじゃん。
我ながらいい考えだと思うよ。
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作者名：Fg | 作成日時：2014年9月19日 16時
