124 Oside ページ24
久しぶりのような気がするAからのメール。
松潤の前だけど、そんなの忘れてメールを読んだ。
えっ・・・
充電切れ？
インフルエンザ？
思ってもいなかった内容に驚いたけど、柚木の意志じゃなくて安心して少しにやけてしまう。
やべぇ・・・松潤に見られた
視線を感じるとにこやかな笑顔で見ているやつ。
「連絡来たみたいだね。
ライブの前にちゃんと彼女の話聞いてあげなよ。」
松潤の上から目線の言い方がなんか気に入らなくて、背中を向けてそのままAに返事をした。
「松潤、頼みあんだけど。」
「何？」
すべての仕事を終わらせて、アトリエまで送ってもらう。
「何もライブの直前にここに来なくたって、終わってからでいいんじゃないですか？」
車を停めてからもグチグチ言ってるマネージャー。
終わってからじゃ遅いんだよ。
「年内に終わらせる予定だったのが残ってて気持ちわりぃんだよ。
じゃぁ、おやすみ。」
Aのマフラーをぐるぐる巻きにしてマンションに入って、一旦アトリエに向かう。
時間は惜しいけど我慢して、すでに出来上がった絵に名前を入れる。
ここに来た目的はそれだけで、これで完成。
マネージャーに嘘はついてないよ。
Aに今から行くってメールして、アトリエを出た。
「お疲れ様。寒いでしょ。」
クリスマス直後に会った以来のAは、病後だからかまた痩せた感じ。
なんせ出会った時のイメージが強いからさ、マフラーを取ると同時に抱きしめて確かめる。
「智く・・・ん！」
「よかった・・・Aだ。」
「え・・・？」
「メールも電話もつながらなくて・・・。
ここにAがいるのがうれしいや。
会いたかったぁ・・・。」
「・・・私も・・・会いたかった。」
おいらの胸ん中で、小さな声が聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Fg | 作成日時：2014年9月19日 16時
