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両親に問い詰めるとあっさり認めたから、かえってこっちが拍子抜けだった。
「何も隠さなくても・・・。
長谷部さんに失礼じゃない？」
「長谷部くんには、それとなく言ってある。
それにすべて話したら、おまえのことだから会わないとか言いそうだしな。」
「・・・。」
さすが父親、娘の性格をよく知ってるわ。
「今つき合ってるひとがいないんなら、お付き合いしてみたら？
いいひとじゃない？」
「・・・いるもん。」
声高々に言えないのが苦しい。
「あら、そうなの？
どんなひと？
何やってるひと？」
これだから言いたくないんだ・・・。
「まだ日が浅いから・・・結婚とか考えてないの。」
「でも・・・。」
「もういい？
・・・私、明日帰るからね。」
そう言い残して部屋を出た。
一緒に初詣に行って、まともな状態で初めて長谷部さんに会った。
営業をしているだけあって、すべてが柔らかい感じのひと。
背は智くんぐらい・・・かな。
歳もひとつ上で、東京にも出張でよく行くって言ってた。
お母さんに言われるまでもなく、いいひとだってことはよくわかる。
親に心配かけてるってこともわかってる。
長谷部さんとつき合ったら周りの目を気にせずに普通のデートが出来るんだろう。
ケンカしてもすぐ仲直り出来て、会いたい時に会いに行けるんだろう。
結婚・・・したら、穏やかな生活が送れるんだと思う。
ごめん、智くん。
不満を持ってるわけじゃないけど、ちょっと比べちゃった・・・。
「A、長谷部さん、明日の夕方前乗りで東京に出張ですって。
車だから送ってもらいなさいって。」
廊下からお母さんの声がする。
「え・・・仕事じゃまずいでしょ？」
なんかうまく出来すぎてるような気がするんだけど・・・。
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作者名：Fg | 作成日時：2014年9月19日 16時
