きみを好きになって～S・O～３ (ページ16)

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目が覚めた時は布団に横になっていて、身体の節々が痛かった。

暗かったからもう夜なのかもしれないって思ったけど、何で寝ているのか一瞬わからなかった。

熱・・・あるんだ・・・。
のども痛いし、風邪ひいたのか・・・。
お正月早々ついてないな・・・。

ノックがしてドアが開いて、お母さんが顔を覗かせる。

目が覚めたのを知って、部屋に入って

「どう？」

っておでこに手を当ててきた。

水仕事をしていたらしい手の冷たさが気持ちよく感じる。

「まだ熱いわね。
何か食べる？」

「・・・いらない。」

「無理しなくてよかったのに・・・。
長谷部さんがコンビニでアイスを買って来てくれたの。
それなら食べられるんじゃない？」

「・・・じゃあ、少し。」

「持ってくるから、待ってて。」

バニラアイスを食べながら、お母さんの話を聞いた。

廊下で倒れた私を、長谷部さんがこの部屋まで運んでくれたこと。

一旦帰った長谷部さんがコンビニでアイスを買って持ってきてくれたこと。

明日熱が下がらないようだったら、知り合いの医者に診てもらえるよう手配してくれたこと。

「長谷部さんが送ってくださるって。
何から何まで気がつくひとだわ。」

「・・・そんな・・・悪いわよ。」

「そうね。
でも、今回は甘えなさい
お正月でお医者さんはどこも休みだし。」

「・・・ごちそうさま。
もう、寝るから。」

カップアイスを半分ぐらい食べて寝る準備を始めると、１年近く前に熱を出して智くんに送ってもらったことを思い出した。

あの時と同じだるさ、何も考えたくない倦怠感。

あの時と違うのは、智くんが海外にいて私が熱を出したことを知らないこと。

熱で弱っているせいか、それだけで悲しくなってしまう。

目頭が熱くなって来たのを止めようと、目を閉じて考えるのをやめた。