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「大野くん。」
気持ちを落ち着かせようと名前を呼んだ。
「智。」
あくまで名前を呼んでほしいみたいね。
「・・・智くん。」
相変わらず口を尖らせていて返事をしてくれなかったけれど、構わず続ける。
「潤くんは・・・私の・・・義理の兄です。」
「・・・へ？」
不機嫌そうな顔が一瞬で気の抜けたような表情に変わる。
まぁそうよね・・・
きっと同棲中の恋人とでも思ったんでしょうから
「高校３年の時、母親が再婚したの・・・。
松本さんっていって・・・潤くんのお父さん。」
「なんだぁ・・・そういうこと・・・」
ガクっとうなだれて、ソファーに沈んで、ハァ・・・って溜息をついた。
「でも名前・・・。」
「２度も変えたくないわよ・・・。
もう・・・高宮って呼んでくれる人はいないから・・・智くんが久し振りに呼んでくれて、ちょっと嬉しかったの。」
「あ・・・おれだけかぁ。
そっか、翔くんとかまだ知らねぇのか。」
ちょっと嬉しそうに言う。
「櫻井くんが中学時代の私を知っていたかは疑問だけど。
でも会社では呼べなくて困ってたでしょ？」
「ん・・・。」
「私にとって特別だし、３つもいらないって自分の意思で決めたの。」
「そ・・・。」
「今は２人で、兄妹として一緒に住んでるの。」
"一緒に住んでる”に反応して、起き上がった智くん。
「でも、血が繋がってねぇのに・・・一緒って・・・。」
「前に言ったと思うけど、シェアしてるって。
生活費は折半、自分のことは自分でするって条件なの。」
「メシ・・・あいつが作るようなこと言ってた・・・。」
「私の就職祝いにね。
普段は自分の分しか作らないし、１人で食べる。」
「・・・。」
まだまだ納得いかないような沈黙の時間が過ぎて行く。
「会社で知ってんのは岡田っちだけ？」
「数人だけって言っていたから、上の人たちかしら？」
それは岡田さんを含めたセクションリーダーたちのこと。
「ふぅん・・・。」
「私は手伝いのつもりでいたから、潤くんが入社する頃には辞めていると思っていたの。
何となく知られたくなかったから、岡田さんが内緒にしてくれたのよ。」
「・・・。」
言えば言うほど智くんの不機嫌さが増していくみたい。
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Fg(プロフ) - ともさん» ともさん、コメントありがとうございます。智くんにとってまだ恋は終わっていないんでしょうね。キューンとしてもらえて嬉しいです。もう少しお付き合いくださいね。 (2018年10月19日 23時) (
レス) id: b0b3b50387 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 不器用な二人(￣▽￣;)でも…大野くんなりにすれ違ってしまった時間を取り戻そうとしてる姿にキューンとしました。 (2018年10月19日 22時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
Fg(プロフ) - きよしさん» きよしさん、コメントありがとうございます。ドキドキしてもらえて嬉しいです。不器用な２人ですが見守ってやってください。 (2018年9月25日 23時) (レス) id: b0b3b50387 (このIDを非表示/違反報告)
きよし(プロフ) - いつも楽しく読まさせてもらってます！この微妙な距離感がどうやってちぢまっていくのか楽しみでしかたなく、更新されるたびドキドキしてます！智くんが主人公ちゃんののとを気づいててくれた！ってことに私まで喜んでしまいました！またの更新楽しみにしてます！！ (2018年9月25日 20時) (レス) id: be7e2b1e30 (このIDを非表示/違反報告)
Fg(プロフ) - ともさん» ともさん、コメントありがとうございます。お互いトラウマになっている２人です。もう少し見守ってくださいね。 (2018年9月19日 21時) (レス) id: b0b3b50387 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Fg | 作成日時：2018年9月18日 13時
