63 ページ13
翌日午前中のうちに櫻井くんが出社して来た。
ギブスをしているから完全な私服、それも着るのに負担がかからないようなラフな格好。
髪も洗って乾かしただけっていう、家の中の櫻井くんのままで。
「ちょっとどうしても気になって・・・。
こんな姿ですみません。」
それでもギブス姿は痛々しい。
「大丈夫か？」
岡田さんが少し焦って聞いている。
「すぐ出社出来ると思ったんですけど・・・着替えるのもひと苦労で。
これも目立つのでタクシーで来ました。」
ギブスの手を触る櫻井くんは、すでに疲労困憊気味。
「わかった、無理しなくていい。
(人)くんが頑張ってくれてるから、安心して休め。」
「時間は遅くなりますけど、時々は来ますから。」
真面目だなぁ
「来られる日でいい。
こっちも来てほしい日は言うから。
その時は私服で構わないし、タクシーを使えばいい。」
岡田さんにそう言ってもらって、ホッとしたような櫻井くんだった。
「翔くん。」
彼が来たとわかると奥から大野くんが出て来て、チラッと私を見てから話し出した。
「あ・・・。」
「うわぁ・・・だいじょーぶ？」
「まぁまぁかな・・・。」
「無理すんなよ？
今日は？」
「どんなものかなって思って。
ちょっと仕事のこと打ち合わせしたら帰るよ。」
「そ。
昼メシ食ってけよ。
手伝ってやっから。
あと、トイレもな。」
からかうように大野くんが言うと
「智くん！」
櫻井くんがかなり慌てている。
中学生の頃からの絆みたいなものが垣間見えて、思わず笑ってしまう。
「ほらぁ、柚木さんに笑われたじゃないか。」
「へ？
・・・あぁ・・・。
あ、翔くん、今日は買ってここで食おう。
おれ買ってくっから。」
いいこと思いついたって表情の大野くんが、また私をチラッと見た。
「リハビリ、リハビリ。」
またねーって仕事に戻って行く。
「何なんだ、大野は・・・。」
岡田さんが不思議そうに大野くんの背中を目で追っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Fg(プロフ) - ともさん» ともさん、コメントありがとうございます。智くんにとってまだ恋は終わっていないんでしょうね。キューンとしてもらえて嬉しいです。もう少しお付き合いくださいね。 (2018年10月19日 23時) (
レス) id: b0b3b50387 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 不器用な二人(￣▽￣;)でも…大野くんなりにすれ違ってしまった時間を取り戻そうとしてる姿にキューンとしました。 (2018年10月19日 22時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
Fg(プロフ) - きよしさん» きよしさん、コメントありがとうございます。ドキドキしてもらえて嬉しいです。不器用な２人ですが見守ってやってください。 (2018年9月25日 23時) (レス) id: b0b3b50387 (このIDを非表示/違反報告)
きよし(プロフ) - いつも楽しく読まさせてもらってます！この微妙な距離感がどうやってちぢまっていくのか楽しみでしかたなく、更新されるたびドキドキしてます！智くんが主人公ちゃんののとを気づいててくれた！ってことに私まで喜んでしまいました！またの更新楽しみにしてます！！ (2018年9月25日 20時) (レス) id: be7e2b1e30 (このIDを非表示/違反報告)
Fg(プロフ) - ともさん» ともさん、コメントありがとうございます。お互いトラウマになっている２人です。もう少し見守ってくださいね。 (2018年9月19日 21時) (レス) id: b0b3b50387 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Fg | 作成日時：2018年9月18日 13時
