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小食な智くんだけど、食卓に並んだものは大体食べてくれる。
だからこそあまり食べすぎないように、気遣うこともこの数ヶ月で覚えた。
仕事柄、痩せすぎて体力がなくなっても、太って動けなくなってもダメなことは智くんを見ていてわかったけど、智くん本人はあんまり言葉にしない。
だから
「ちょっとでいいよ。」
って希望を言ってくれるようになったときは、身体作りを始めたんだなって気付いた。
これでもリーダーのファンだからね。
普通のおかずを食べながら、缶ビールを飲む智くんの前に座って、
「私の事は秘密にしてって言わなかったかな？」
少し強い口調で聞いてみる。
「え・・・あ・・・ごめん・・・。」
智くんの目が一瞬泳ぐのがわかった。
「何で翔くんが私の作った食事を食べたのか、説明してくれる？」
「・・・。」
「別にダメだったとかじゃないのよ、知りたいだけ。」
「・・・あんとき、Aにメールしてうちを飛び出そうとしたら・・・翔くんから電話があって・・・。
車で近くにいるっていうから、乗せてって思わず・・・。
だってチャリなんかより早いだろ？
早くここに来たかったから・・・。」
「・・・送ってもらったってことは・・・車の中で待たせてたの？」
なんてこと・・・見つかったらどうするつもりだったんだろう？
「ん・・・待ってようかって言ってくれたから。
で、帰りも送ってもらって・・・。
翔くん、魚もらったっておすそ分けに来てくれたらしくて、部屋まで運んでくれて・・・。遥が作った料理見てびっくりしてたから、食べない？って誘ったんだ・・・。
ちょうど２人分あったし・・・。」
「そこで私が作ったって言ったわけ？」
「・・・ごめん・・・。
だっておいらじゃないから・・・。
でも、Aの方から秘密にしてって言うの、なんで？」
智くんはそれが理解出来ないみたいだけど、これは私の心の問題だからね。
「・・・私自身、傷つきたくないから、だと思うの。」
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作者名：Fg | 作成日時：2014年7月10日 10時
