きみを好きになって～S・O～２ (ページ35)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:99,842 hit

85 ページ35

「無理してない？
どうしたらAがおいらの・・・恋・・・人だって・・・自覚してくれんの？」

智くんが初めて恋人って言って、照れているのか俯いた。

言った本人が照れると、聞いたこっちは恥ずかしさが倍増するみたいで顔が熱くなるんだけど・・・。

「・・・無理だと思ってたら一番に別れ話してるよ。
そうならない為に、こうして話してるのよ。」

「ん。」

智くんの手に引っ張られて、あっという間に胸の中に収まる。

「今から、ちゃんと恋人になろ？
遠慮するのは違うから。」

耳元で言われると鳥肌がたつ。

抱きしめられてまた涙が溢れそうになった。

「泊まってっていい？
痩せたAを確かめさせて。」

「！」

思わず腕の中から逃げようともがくと、すぐ解かれる手。

「・・・痩せたって言っても少しだから！」

「その前にさ、なんか食うもんない？」

クスっと笑いながら智くんが頭を掻いた。

「もう！
・・・待ってて。」

智くんを突き飛ばすように立って、キッチンに向かう。

「そーいえばさ、あん時のメシ、翔くんと食った。」

すごい爆弾発言に思わず振り向いた。

「何で？！」

「ん？
あん時ここまで送ってくれたし、帰りも家まで・・・。」

「うそ・・・。
私が作ったって言ったの？」

「ん、彼女が？って聞くから、うんって言った。」

「なんか言われた？
こんなのしか作れないの？とか言われなかった？」

智くんはともかく、舌が肥えているあの仲間たちの口に合ったのか、すごく気になる。

「そんなこと言わねぇよ。
うまいだろ？って聞いたら頷いてた。」

「えー？」

「大丈夫、料理嫌いなのにおいらの為に作ってくれるって言っておいたから。」

ニコニコしている智くんだけど、心配だなぁ・・・。