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「・・・こんな私でもね・・・条件はあるの・・・。」
「条件？」
「・・・常識のないひとは・・・いや。」
大野くんが目を見開いて、沈黙が流れる。
「それって・・・ピンポイントでダメじゃん、おれ。」
「大野くんがダメっていうより、一般常識のないひとは・・・だね。」
「えー、マジかぁ。」
癖である鼻をかきながら、また沈黙。
何か考えているのかな？
その間にテーブルの上にあったティッシュで涙を拭いた。
「じゃぁさ、・・・Aさんが教えてよ、常識。」
「えっ？」
「Aさんが教えてくれるんなら、ちゃんと覚える。
でさ、そんなに気になるんならAさんも少し痩せようよ。」
「・・・。」
止まりかけていた涙がまた溢れてきた。
持っていたティッシュでは間に合わないよ。
「・・・どう・・・して・・・そ・・・こまで・・・」
「だって好きになったんだもん。
いつもAさんの、いってらっしゃいとかおかえりなさいって聞きたいじゃん。」
大野くんが箱からティッシュを取って私の涙を拭ってくれる。
これじゃ年下の女の子みたいじゃない。
「・・・見な・・・いで・・・。」
ぼろ泣きの顔を見られたくなくて下をむく。
「釣り合わないなんて言わないで。
Aさんが不安なら、何でも聞いて。」
今日の大野くんはあの、好きって言いに来た時と同じくらいかっこいい。
その大野くんが好きだと言ってくれたことが、現実なのかまだ信じられない。
そんな気持ちの中でも、ずっと燻っていたひとつの思い。
大野くんの答えを聞いてみたい。
「私の・・・趣味はネットだって・・・言いましたよね？
大体のことは調べられます・・・。
・・・私は、過去も現在も含めて・・・大野くんを信じていいんですか？」
さあ、何て答える？
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作者名：Fg | 作成日時：2014年7月10日 10時
